「瞑想は禁止、まず肉体を鍛えなさい。」

ワダ:
今回のクエストカフェ・インタビューは、ちょっと不思議なお話も飛び出す僕のお友達の松本絵里子さんにお願いしました。今日は、よろしくお願いします。
松本:
はい、よろしくお願いします・・・笑
ワダ:
絵里子さんとは、友人のある会で知り合って、お友達になったんですが、その後、いろいろとお話ししているととっても面白いので、ぜひ、クエストカフェでご紹介したいなと思って。。。笑
松本:
笑・・・ありがとうございます!
ワダ:
さて、今日はどんなお話しからしようか、聞こうかって感じなんですが、何しろ驚いたのは、絵里子さんからババジの話が出たことなんだけど、これはちょっと、ちゃんと聞かないといけないなと思って、そのあたりの話もあらためてお聞きしたいんですけど、まず絵里子さんがどんなことをされている人なのかという事から始めましょうか・・・笑
結構、パリに長く暮らしてた経験とか、建築やインテリアのデザインもされてるし、ヨガや独自のヒーリングなどの活動もしてますよね。
松本:
そうですね。どこからお話ししたらいいかしら。。。
基本的に、私は快楽主義者なんです。とにかく心地よいことを求めてきました。例えば、快適な空間を創りたいと思って建築の勉強を始めたんですけど、外の物理的な空間なり建築なりを創る以前に、自分の内側が心地よくないと気がつき、ヨガを始めたんですね。
その頃出会ったヨガの先生が、肉体重視派で、「心と身体は、くっついているから、心を変えたければ、身体を鍛えなさい。」と言われました。この教えに最初に出会ったことには、とても感謝していて、今でも、私自身のベースとなっています。当時は、自覚がなかったのですが、「あなたは、肉体のレベルに対して、精神的レベルが人より敏感だから、そこで瞑想をすると、さらに肉体と精神レベルのギャップが広がり危険です。瞑想は禁止。まず、肉体を鍛えなさい!」と言われました。相当ハードなヨガを2年ほど実践して、やっと、瞑想が解禁になったんです。とにかく身体。身体がしなやかになれば、心も解放されると。。。
当時は、パリに住んでいました。フランスは自分自身と向き合うことを促す場所なのですが、それが高じて心身のバランスを崩したんですね。ヨガのおかげで身体がだいぶ鍛えられて、やっと瞑想も少しするようになって、心もかなりいい感じになってきたんですけれど、何かもの足りなかったんです。そこで出会ったのがヒーリングでした。それでやっとボディーとマインドとスピリット、全部のバランスが取れて、突け抜けた感じがしました。究極の快楽主義ですね。
ワダ:
ほぉ〜!
松本:
快楽では飽き足らず、結局は至福を求めたということです。私が何年もかかって快楽から至福というものを経験できるようになったので、それをもっと効率よく、皆さんにお伝えしたいなと思って、帰国してヒーリングを学んだ後、当時いた岐阜で、セルフヒーリング・クラスというものを始めました。ヨガをずっと実践してきたんですけど、ヒーリングも勉強して、セッションもプロとしてするようになって。。。至福に至るには、身体だけでは少し時間がかかるし、心だけだとちょっと難しいし、もう少し深いところのワークもプラスしたのが、セルフヒーリング・クラスです。
ただ当時は身体・心がベースで、ヨガが半分くらいだったんですけれど、ある時から呼吸法は、「ピラティス」に切り替えました。まだ、日本には、ほとんど入ってきてなかったんですね。
ワダ:
うん。
松本:
ヒーリングをすごく集中して行うと体型も結構変わるんですよ。
ピラティスをやっている人の写真を偶然見たんですが、ヨガで鍛錬したヨガ行者さんの体型よりも、ピラティスを修練した身体の方が、ヒーリングで変化したからだに近かったんです。
それで、とても興味を持ったんですが、当時は、岐阜や名古屋には先生がいらっしゃらなかったので、アマゾンで、確かDVDじゃなくてビデオですね、ビデオを取り寄せて見てみました。でも、ああいうものはビデオとか本ではわかるものじゃなくて。。。しばらくして、ニューヨークで学ばれた先生が東京にいらしゃると分かり、その先生のところに何回か通いました。息を吐く時に、これまでのヨガの先生には「肛門を締めましょう。」と言われてきたんですが、そこで初めて「肛門を締めないで!」、女性なので「膣を締めなさい。」と言われて。すごく腑に落ちたんです。『なるほど!第一チャクラだな』と思ったんですよ。
ワダ:
うん。
松本:
それで、自分の身体を人体実験に半年以上試して、肉体を浄化、鍛錬する呼吸法としてはピラティスが非常に効率がいいなと思ったので、それからはヨガのポーズで、呼吸はピラティスに切り替えて、セルフヒーリング・クラスを行なったんです。
ワダ:
なるほど、ピラティスは鼻から吸って口から出しますね。
松本:
そうです。その時は肛門を緩めて、会陰を締めて引き上げるんです。
ワダ:
うわぁ、難しそう。肛門を緩めながら(やってみている・・・)、ああわかるわかる。丹田の方の内側を力を入れると、確かに肛門は緩みながら、男性だったらちょうど、前立腺のあたりね
松本:
はい。
ワダ:
なるほど。でも、難しい・・・笑
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松本:
いい意味で見栄を張るって、大事ですよね。私は期間を決めて、定期的に筋肉トレーニング、マシーントレーニングにも通っています。
ワダ:
それは大事ですね。僕も筋トレちょっとあらためて注目しています。自分に身体の中の声を聞く・・・
松本:
そうなんです。実は、私はすご〜く怠け者なんですよ。ですから、時々、どなたかにお尻を叩いていただき、リセットしています。一昨年から一対一のパーソナルトレーナーに付いていただき、トレーニンングしています。その方がものすごく効果がある。
ワダ:
ありますよね。
松本:
的確なアドバイスを受けられるし、筋肉の事がすごく勉強になりました。またヨガやピラティスと全然呼吸法が違って。。。ずっと「深い呼吸、深い呼吸!」って、言われたり、言ったりしてきたのが「浅く呼吸してください!」って言われて、えぇ?っていう感じでびっくりして。
ワダ:
筋トレは、基本的に無酸素運動ですもんね。
松本:
そうですね。浅い呼吸じゃないと、からだを痛めてしまうので、ぐっと締めたまま緩めないんですよね。緩めないで浅くっていうのが、これまでと全然違って。。。でもその効果の出方っていうのがほんと面白くって・・・。
ワダ:
絵里子さんは、実は隠れ筋肉ウーマン?・・・笑
松本:
ふふ・・・笑 この間、中2の息子に腕相撲で勝ちました。
ワダ:
ほんと〜!? すごいね・・・笑
なんか微かな筋肉痛って気持いいんだよね〜。
松本:
筋肉痛が出たら駄目だって言われていてね。筋肉を肥大させたければ、別ですが。
ワダ:
あっ、そうなの?
松本:
はい。
ワダ:
じゃぁ徐々に徐々にって感じ?
松本:
そうなんですよ。ワークアウトは、筋肉痛が起きる前に、とにかくトリートメントしなくてはいけなくて、筋肉に負荷をかけすぎる手前で止めるんです。それで、すぐにトリートメント。だから20分から30分鍛えたら、その後はすぐにトリートメントを20、30分してもらうので、ほとんど筋肉痛は起きないです。
ワダ:
ジムでちょっと抵抗があるのが、一人でプシュープシューって言いながら、黙々とやっている人いるでしょ・・・笑
松本:
ワダ:
あの世界はちょっと、僕は避けたいかなと。。。笑
松本:
私ね、周りに人がいるのが苦手なので、パーソナルトレーニングに通っているの。ちょっと贅沢な空間 !?
(僕も、某ジムに通いマンツーマンでトレーニングを受けていた時期があり、そんなことから筋肉談義に花が咲く・・・笑)
ワダ:
建築関係の仕事は最近はどうされてるんですか?
松本:
ここ最近は、スクールでプロを養成したり、東京へ転居したりして、お休みしていましたが、今年から、また始めます。
ワダ:
建築は具体的にどういう事をしていたんですか?
松本:
リノベーションが多いですね。更地から造ったのが1件、長野の大きな美容院があります。
ワダ:
絵里子さん、建築士なんですか?
松本:
私は、フランスで勉強したので、日本の建築士の資格は持ってないんですね。基本設計デザインをします。
ワダ:
では、建築プロデューサー的な感じで。
松本:
そうですね。ですから、基本設計や家具のデザインをして、必要があれば、一級建築士の方に実施図面を、構造設計士の方に構造図面をお願いしますが、現場は、私がチェックしに行きます。
(当時の作品資料を見せていただく・・・)
私がこれから一番力を入れたいのは、心身の状態を回復させるスペースのデザインです。クリニックとか、例えば、オルタナティブ・メディスンのマッサージや、カイロプラクティクとか、鍼灸院とか。。。そういうところに、自分が治療なり、施術なりを受けに行ったのに、空間の要素が、マイナスに働いているところがとても多いので、それを変えたいなという思いがあって・・・
ワダ:
つまり、空間がよくないから、その場のエネルギーがせっかくの治療を妨げていると・・・
松本:
そういうことです。数年前からおしゃれなクリニックは、随分できていますけど、もう少し意図して、空間でトランスフォーメーションが起こる場をつくりたいなと思っています。2002年に岐阜につくった私の仕事場というのは、自分でデザインして、それを意図したんですね。
3DKだったんですけど、スペースの半分を駆体が出るまで壊して、スケルトンにし、2LDKにリノヴェーションしました。当時はまだ、健康に留意した建材ってあまり言われていなかったので、なかなか難しかったんですけど、床下に炭を入れたり、照明計画をしたり、塗料をドイツ製の自然塗料にしたりしました。結局、そこがモデルルームの役割をして、「こういう空間をつくって欲しい。」って言われて、建築の仕事が再開して、岐阜で数件つくったんです。
ワダ:
なるほど〜。
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努力しないとそうならないというのは幻想。

ワダ:
いま、中心的に活動されているクリアリング・メソッドっていうのは、どんな感じなんですか?
松本:
自分自身のことを整えて、癒せるようになる、そして、自分の人生は、自分で楽しくデザインしましょうというメソッドです。
心身ともに元気で、エネルギーが充実して循環しているという、人が本来持っているシステムを整えて、エネルギーの流れを滞らせている要因をクリアにすることです。
「レスパス」という名前で仕事をしているのですが、フランス語で、スペースを意味します。ずっと「スペース」というのが私のキーワードなんです。最初にお話ししたように、心地よいスペースをつくりたくて建築を始めたけれど、自分の内側のスペースが心地悪いと感じた頃から意識し始めました。
内側のスペースを心地よくすることを目的として、岐阜で、『エスパス・デーヴァ』という名前で、セルフヒーリング・クラスとヒーリングの個人セッションを始めました。それから、設計デザイン、ヒーリングのプロを養成するスクールと発展したのですが、2009年に東京に戻るにあたり、何が必要とされているかを考えたんです。
岐阜でスタートした頃からは、随分進化して、ヨガやピラティスのスタジオも沢山あるし、ヒーリングのセッションもあちらこちらにある。。。
都会で必要なのは、今の日本を支えている、現役で活躍している人たちが、より自分らしさを発揮して生きるために、自分で心身のコンディションを整えられるようになることだなと思ったんです。そうこうしているうちに震災が起こり、より、セルフケアの大切さを実感しました。
そして、2011年の秋に、『クリアリング・メソッド』を立ち上げました。
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ワダ:
はい。
松本:
これは、自分で自分のことをセルフケアできるようになるワークショップです。都会の忙しい方たちでも、日常生活や仕事の合間に組み込めるセルフケアの方法をお伝えしています。 体を動かす事もしますし、呼吸法やエネルギーワークなど、簡単で継続できる方法です。2日間コースは、食べ物の事も学びます。
皆さん、例えば冬だったら「冷たいものを食べなかったらいいんでしょ。」と思っていらっしゃるけど、陰性のものが身体を冷やすっていう観念があまり浸透していないので、陰陽のこともお話しします。あとは私が専門であるスペース。空間や環境は、すごく自分に影響を与えているので、照明や採光のお話とか、空間のクリアリングなど、トータルに生活の中でどうやって自分をいい状態にコンディショニングしていくかというのがクリアリング・メソッドです。
クリアリングというと、願望を引き寄せたいけれどもブレーキをかける潜在意識、ストップをかけてるものをクリアにするという捉え方が一番多いと思うんですけど、結局、観念では、物事は、なかなか変わらないというのが私の考え方なんです。自分自身がやってきて、すごく実感してることです。ヒーリングをしていますけれど、肉体と現実重視派で、「そこは絶対に飛ばさないで。」って言ってるんです。ある程度、地に足が着いている人だったら大丈夫だと思うんですけれど、いきなり観念だけで、何かしようとか、瞑想だけしてもバランス崩しちゃうんですよね。
ワダ:
観念で何かするっていうのは具体的にはどんな感じなんですか?
松本:
例えば、願望を書いて唱えるとか、ポジティブシンキングとか・・・
ポジティブシンキングは、場合によっては、危険だと思っています。あと、モチベーションにばかりフォーカスするっていうのもマイナスに働くこともあるし・・・笑
ワダ:
怒りから行動しても、モチベーションは上がるしね。
松本:
そうなんですよね。そもそも、何でそんなことをしているの?って、原点に返った時に、人それぞれだと思うんですけど、私自身は単純に、毎日を心地よく、幸せに過ごしたいだけなんですね。
ワダ:
うん。
松本:
そのために、ストイックなことも色々やってきましたけれど、肉体という物質を持って生まれて来ているわけですから、現実を抜かさず、バランスをとることが大事だと実感しています。
チャクラでいえば、上ばっかりが活性化して、肉体レベルに関連している下部のチャクラがスカスカした不安定な状態ではなくて、しっかりと地に足が着き、お腹から下が充実している安定感を持つことが、急がば回れですね。
私がクリアリングでコンセプトにしていることは、観念だけではなくて、日常生活もちゃんと整え、楽しみましょうということなのです。それで幸せだったら、それ以上のことをしなくてもいいのではないかというぐらいの・・・日々の暮らしは、奥深いですから。
ワダ:
快楽主義者としての哲学が・・・笑
松本:
ええ、そうです・・・笑
時代も変わってきて、最近すごく感じるのが、今までは努力をして、ちょっと辛いけどヨガをするとか、眠いけど瞑想するとか、そういうことをしてきてエンライトメントに至ったというような流れだったじゃないですか。何か違う感じがするんですよ。
違う観点から観ただけなんですけれど、最近のワークショップでは、エネルギーシステムの説明にヴァリエーションをつけています。以前は、「お饅頭から湯気が出ているみたいに、肉体があるからエネルギーあるいは、オーラが出ているのではなくて、実は、エネルギーの方が先に存在していて、肉体はその一部なのですよ。」というアプローチで話していました。
ワダ:
エネルギーボディーみたいに。
松本:
そうです。そこに情報があって、後から肉体が入り込んでいると、では、その先はなんですか?その先のエネルギーはもっと普遍的なエネルギーがあって、呼び方は、宇宙エネルギーでも、何でもいいんですけど、「創造主」あるいは「神」って呼ぶ人もいると。境目があるのではなく、普遍的なエネルギーの一部として、私たちが在る。「そうだとすると、神イコール私でも間違ってはいませんよね。」っていう話から入って行きました。
今は、それを話した上で、他の観点からも捉えています。同じことを言っているんですけれど、ビッグバンが起きる前は、全てがひとつだったと。バーンと分かれて、分離して、分離して、分離して・・・
今、私たちは、制限のある物質、肉体のある世界に生きていますが、元々は、ワンネスだったんだから、努力して上がるっていうよりは、もちろんそれも必要かも知れないし、それこそが人生なのでしょうけれど、思いだす感覚、忘れていたものを思いだす感覚なんじゃないかなと気づいたんです。そうしたら、コアからゆるんで、実際に渋谷の雑踏を歩いていても、何か粒子になって融けちゃう感じ、瞑想ですごくいい感じの時ワンネスの感じがあるでしょう、そのような感じになったんですね。そうしたら努力しないとそういう状態に至らないっていうのは、そもそも幻想じゃないかなって思ったんです・・・
かといって何もしなくても良いのかっていうと、ちょっと違うんですけど・・・
ワダ:
すごくよくわかるし、共感するな〜その感覚。まぁ自分の中から発動するもの、内なるものが求めるものに従うというか、その時にストレスフルだったら、ストレスから開放されたいから居酒屋でワイワイ飲むとか、甘いから塩を入れよう、いれたら変な味になって甘さが足らないから砂糖をいれて、どんどん味が濃くなって逆方向に行くみたいなね。そうじゃなくて単純に薄めるっていう作業をするとか、もしくは、できるだけ最初に戻す方向に作業をするっていうことですよね。
松本:
はい。何かね、そんなことも含めて、何でもありって最近思っていて、そもそもそれだとワークショップも成り立たなくなるんですけど・・・笑
ワダ:
今生きている人それぞれに、ステージや場所があるので、その人はその人で、そのままでその人の人生を通した学びと成長があって、それを体験してる訳ですからね。
松本:
そうですね。何でもそうだと思いますね。
ワダ:
一見何もしていないようだけど、生きてるだけで実は意識的な進化が起こっている。
松本:
そうなんですよ!
ワダ:
その中で、より自分自身を見つめてみようという人たちが、絵里子さんだったり、僕だったり、そういったところに触れる機会があって、ちょっと面白うそうだから、こういう視点から何かやってみようかなということで、一歩踏み込むというか、アプローチしてくる、こういう場所なのかなと思います。
松本:
そうですね。以前から一貫して、ワークショップやセッションのコンセプトは、自分自身を軸にして、本来持っているセンサーを磨き直すことなんです。
ピカピカ光ったセンサーを誰もが持っているんですが、敏感だと不都合が起きると、どこかで勘違いしてしまったが故に鈍くさせているんですよね。「磨いても大丈夫ですよ。」っていうことを、伝えたくってワークショップやセッションをしています。感覚や感性が、自分自身を導いてくれるわけですから。ですから、リーディングのようなことはしていません。セッションの流れで、必要があれば出てくることもありますが。
相談の様なことを受けることもありますが、基本的には、その方がご自分で見つける手伝いしかしないんです。必要な情報は、すでに自分の中に存在しているわけですから。「あそこに行けば、何とかなる。」と受け身になられても、役に立っているとは言えないと、私は思っているので・・・
ワダ:
1回は何人位でされてるんですか?
松本:
それぞれですけど、クリアリング・メソッドで一番多い時は10人くらいかな。
ワダ:
じゃぁ本当に丁寧に、少人数でそれぞれ見ながらっていう感じですね。
松本:
そうですね。
ワダ:
そういう感じがいいですね。
松本:
ワークショップは、参加者のエネルギーの変化を把握して行ないたいので、多くても20人位まででしょうか。50人ほどのセミナーを行ったこともありますが、ワークショップを中心に活動しています。
ワダ:
そういうかたちが自然だと思うな〜。
松本:
そうですね。趣旨を伝えるだけだったらもっと多くてもいいかも知れないけど、もうちょっと踏み込んだことになると、顔が見えないと私もつまらないですしね。
ワダ:
そうですね。
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「自立」と「自律」ー真の自由は自分で「じりつ」すること

ワダ:
絵里子さんの活動が、トータルにレスパスなんですね〜。
松本:
はい。そうですね。
ワダ:
それがスペースをつくるという意味なんですね。
松本:
そうですね。物理的なスペースと、自分の内側に安心できる居場所をつくること。
ワダ:
そのためにもクリアリングっていうのを重視しながら、お掃除をして、本来の自分というものをそこに存在させようと・・・
松本:
自分らしさを取り戻すっていう感じですね。
ワダ:
今まで勉強されてきたり、インスピレーションでキャッチされたものを当然組み合わさっていると思うんだけど、ここに至った背景みたいなのがあるんですか?
松本:
背景をたどっていくと、小さい時から空間に対して敏感でしたね。私が子供の頃、蛍光灯がたくさん使われるようになったんですね。あの光が絶えられなかったんです。また、山の中に行くとバチバチ感じるから「見えない虫がいっぱいいる!」って言っても、誰も信じてくれないんですよ。でもヨガを始めて、それはいい意味でのエネルギーの刺激だとわかってからは、不安が無くなったので、気持良いと感じるようになったんですけどね。
ワダ:
バチバチ感じるって静電気みたいに?
松本:
いえ・・・気の強いところに行くと感じるじゃないですか。
ワダ:
ん〜・・・笑 人それぞれに感じ方は違うんで・・・笑
松本:
爆笑 そうですよね。Robinさんだから、つい。。。
ワダ:
僕はここは気のいい場所だなとか、エネルギー的にはインスピレーションですが感じることもあります。
松本:
ええ、人によって感じ方も違いますよね。
ワダ:
身体的に何かを感じる?
松本:
昔から、身体的にすごく感じるんです。例えば、クリアリング・メソッドのスキルの一つでは、チャクラから滞ったエネルギーを引っ張り出して抜いたり、チャージしたりするんですけど、子どもの時、クルマの中でやってたんですよ。
ワダ:
自分で?
松本:
そう。これなんだろう?ってやってたんです・・・笑
ワダ:
視覚的にも見えるの?
松本:
視覚よりも、私は触覚が一番強いので、何か出てくるなぁ〜って、当時は、体感として。
ワダ:
つまり、そういう風に手でビューとしてみると感じるんだ。
松本:
はい、体から引っ張り出して遊んだり・・・今は、敏感だったと言えますが、当時は人より過敏だと思って、コンプレックスだったんです。
からだに気が溜まるのも感じてしまい、例えば、渋谷なんかに行くと、あの蔓延したエネルギーの中で、苦しくてしょうがない。ある時、銅はアースさせると思いだしたんです。それでね、東急ハンズの地下に行ったんです。材料売り場があって、銅の棒を売ってるの。あれを握ると、体から余分なエネルギーが抜けて行くんですよ。
ワダ:
へ〜!?
松本:
それは今、具体的にテクニックとして、こうやれば抜けるって簡単にわかるんだけど、当時はわからないものだから、いろいろと試行錯誤して苦労しました・・・笑
ワダ:
身体的にいろんなエネルギーを感じるの?
松本:
そうですね。心地悪いのはとにかく苦手・・・笑
ワダ:
そういう部分って、いわゆる第六感じゃなくってシックスセンス的な部分として反応してるの?
松本:
そうですね、エネルギー体全てですね。結局、こういう風に人が立っていて、正中線があって天・人・地じゃないですか。ですから、クリアリング・メソッドでは、このラインを綺麗に浄化するという事と別の次元だけれどもチャクラを全部クリアリングします。例えば、自分の横に誰かがいて、イライラして何か嫌なことを言ってきたとします。言葉がぐさっと刺さるなどといいますが、その人が悪いんじゃなくて、結局、自分のバウンダリー(境界)が弱いことに問題があるんです。バウンダリーがしっかりしていれば、スルッと言葉のエネルギーはスルーして、受け取らずに済むわけです。以前はテフロン加工って言ってたんですけど、登録商標なので、今は、ノンスティック加工と言っています。
ワダ:
なるほどね。
松本:
エネルギーを跳ね返す。そういう自分を作るのが目的です。それは自由になるため。
結局、何が一番苦しいかって「あの人のせいだ!環境のせいだ!」と人のせいにしたり、環境や境遇のせいにして、被害者になることが一番苦しいですよね。
ワダ:
うん。
松本:
ですから、真の自由は、自分で自立することだと思うんですね。自分で立つ、こっちの「自立」というのと、自らを律する方の「自律」。両方だと思うんですけど、それが観念だけでは変わらないと思うんですよ。何でかって言うと、さっき話したみたいに肉体という制限があるところで、私たちはおそらく自分で選んで人間として存在しているので、肉体を無視できない。肉体レベルからセルフケアをして、不必要なものは受け取らず、自由な存在になりましょうというのが、クリアリングメソッドのコンセプトです。
ワダ:
すごくよくわかります。共感します。
松本:
そうなるためには、どうしたらいいかというと、エネルギーの量と質をアップすればいいんです。でも量だけでは駄目なんです。例えば、街中にいる怖い人は、量はすごいじゃないですか。跳ね返すような量は持ってるんだけど、ちょっと違うかな。私が目指したいところは・・・笑 彼らはそれで良いかも知れないけど・・・
ワダ:
まぁ反社会的な人たち?
松本:
そうですね。反社会的な人たちが、他人を怖れさせるエネルギーを出すのは、自分の怖れの裏返しだと思うので、こういう状態とは、少し違うんじゃないかなって思うんですね。怖れの反対、つまりより精妙な、愛のエネルギーで質をアップさせたいですね。
ワダ:
なるほどね。
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火の玉が転がってきてババジ出現!?のお話

松本:
パリに行って、自分と深く向き合うことになったんです。向こうではよく「あなたの意見は?」と聞かれるので、そのために自分自身と向き合って、それだけが原因ではないんですけど、それもきっかけのひとつで、ちょっと心身のバランスを崩してしまって。
ワダ:
自分は本当はどうしたいんだろうかとか、自分の求めてるものは何かとか、自問自答しているうちに。。。
松本:
自己否定に入っていきました。
ワダ:
ストレスになってたのかな。
松本:
そうですね。 自分を見つめてみると、辻褄合わせをして生きて来た自分のことが、受入れられなかったんです。そういう性質は、もともとあったのかも知れないけど、自己否定に入っていき、そこから抜け出すために良かったのがヨガとの出会いです。
ワダ:
ヨガはパリで?
松本:
いえ東京です。
ワダ:
帰ってきてから?
松本:
夏休みでに3ヶ月帰国した時に始めました。当時、友人がいろいろ調べてくれて、ヨガがいいんじゃないかと彼の友達が言っていると。私の話をヨガの先生にしたら、きっと腰がずれているに違いないと言われたそうです。それで「あなた瞑想禁止。」っておっしゃった先生に出会いました。レッスンを録音して、パリに戻ってもずっと一人でヨガをやってたんです。それから瞑想も少し許されるようになって、帰国した時には、先生の代行もするようになって。。。その頃ですねババジの話が出てくるのは・・・
ワダ:
その先生はババジに会った人なんですか?
松本:
いえ、違うんです。その先生が、私に会いにパリにいらしたんですけど、パリみたいな人工的な街は嫌いだと言って、さっさとポルトガルに行ってしまって、ポルトガルである出会いがあって、いきなりヒーリングができるようになっちゃったんですよ。
ワダ:
それは絵里子さんが?
松本:
いえ、先生が。
ワダ:
なるほど〜。
松本:
それでパリに帰って来て、不思議な体験を話して下さり、今までとにかく身体っておっしゃっていた先生が、少しスピリチュアルな世界に目覚めて。。。それからもっと勉強するために、日本に戻ってから、神道の修行をされたんです。それで、「そう言えば、神道の行者さんで、昔、面白い人がいましたよ。」って先生に話したら「是非、会いたい!」とおっしゃって、すごく久しぶりに、小田原にいらした先生に会いに行ったんです。ヨガの先生とは、数回ご一緒したと思います。
そのババジにヨガを習ったという神道の行者さんのお宅へは、私が小学校の時に、整体を受ける両親と一緒に行って、私も何回か、施術をしていただいたことがありました。両親は、整体以外のことには、興味がなさそうでしたが、私は、毎回、お話しされる神道の行や神様のお話が楽しみでした。
ワダ:
もう結構、年も取られてたんですか?
松本:
そうですね。大手企業のサラリーマンを引退されて、行者さんになられた方ですね。当時は行に専念され、ご自宅では、整体をされていました。有名なスポーツ選手などが通っていたようです。
私自身のことを思い起こせば、小中高カトリックの一貫校に通いました。毎日、お祈りをしたり、毎週、宗教の時間というものがありました。その頃は、とにかく現実逃避したかったんだと思うんです。修道女になりたいと思ったり、この間、同じことを言ってる作家がいてびっくりしたんですけど、監獄に入りたいと思ったことがあるんですよ。
ワダ:
へえー。
松本:
独房がすごく魅力的に感じたんです。
ワダ:
それは何才くらいですか?
松本:
多分、小学校の高学年から中学校ぐらいかな。
ワダ:
結構、思春期ですね。
松本:
そうですね。
ワダ:
それは、ご両親との関係が苦しかったとか、そういうのはなかったんですか?
松本:
一人っ子で、目が一人に集中してたので、それも多少は影響していたと思いますけど、うちの親は過保護にするというよりは、「早く自立しなさい。」という風に育てようとしたみたいです。
ワダ:
普通は逆で、監獄みたいな生活が嫌で飛び出して行くとか、あとは、いわゆるやんちゃになって、暴走族やったりヤンキーに走ったりとか、とにかく自由のために、全てのことを現実逃避していくので、逆に監獄って面白いですね。
松本:
ひとりの世界が結構好きだったのでしょうね。
ワダ:
自由より少し制約が欲しいとか?
松本:
いえ、制約された中で、その時は言葉を知りませんでしたが、行をする様なことが浄化と真の自由に繋がると、本能的に感じていたんです。今、思い起こせばすごく面白いのが、小学校4年生の時に、急に塩水が飲みたくなったんですよ。それで塩水をいっぱい飲んだんです。当然のことながら気分が悪くなって、胃の中は空になりました。それ、ヨガの行にあるんですよ。
ワダ:
あぁ〜ありますね。
松本:
それから、ヨガを始めて最初の頃に、一切の情報を断ちたくなったんですね。パリにいたんですけど、電話線を抜き、部屋中、全部白いシーツを張ったんです。本の背表紙さえ、うるさく感じたんです。それでヨガだけやってたんです。そうしたら1週間ほど経ち、超能力みたいなのが出てきて、怖くなって止めたんですけど、それ実は、数年後、大人になってから行ったヴィパッサナー瞑想ですよね。誰ともコミュニケーションをとらず、黙って、音楽も聴かず、本も読まないという。
本能的に結構いろんなことをやってたなぁーって、今思い起こすとね。
ワダ:
へえ〜不思議ですね。
松本:
不思議と言えば不思議だし、自分の過去性をいくつか思いだしたことがあって、その流れから行くと、同じことを繰り返してやってるなということもありますね。
ワダ:
ババジからヨガを教わった小田原の先生のエピソードも、すっごく面白かったので、聞かせてください。
松本:
そうですね。先生に「小学校の時にちょっとだけ聞いたお話を思いだしたんですが、いま、私もヨガをやってるんです。」と言ったら、淡々とお話をされ始めて・・・戦争中の満州かどこか雪の中で、兵隊だったとき、夜中になると声が聞こえて呼び出されたんですって。
ワダ:
うん。
松本:
兵舎だから出られるはずもないんだけど、外に出ることができ、雪の中に行ったそうです。すると、火の玉が転がってきて、その中から、ぶわぁっと人が立ち上がって、私はババジだと言われたと。それで、もうひとつの火の玉が転がってきて、ババジの妹も来たと。それで、その人たちにヨガを何回か教わったという話をされたのがすごく印象的でした。その後、ヨガの先生に「これ面白いわよ。」と薦められた「あるヨギの自叙伝」を読んで、ババジのことが書かれていて、小田原の先生が会ったババジだということがわかったんですね。
ワダ:
へえー。
松本:
「あるヨギの自叙伝」は、一時バイブルのように読んでいました。パリにいたんですけれども、とにかくクリアヨガを習いたくって、カリフォルニアのSRF宛に、「パリに先生がいたら紹介してください。」って手紙を書いたんです。すると、通信教育のパンフレットが来て、なんだかがっかりして。。。ババジ、ババジと思って歩いていたら、パリの本屋さんで「ババジと18人のシッダ ー クリアヨガ」の背表紙が目に飛び込んで来て。。。
ワダ:
あぁ〜その本、持ってますね・・・笑
松本:
持ってますか!・・・笑
ワダ:
マニアックだなぁ〜僕も・・・・爆
松本:
あれを見つけて、すぐに著者のマーシャル・ゴーヴィンダン氏に手紙を書いたんです。「パリに先生がいたら紹介して下さい。」って書いたら、なんと電話がかかってきて、「1週間後にパリに行くからいらっしゃい。」って言われました。それで、ババジのクリアヨガのイニシエーションをパリで受けたんです。日本人としては、一人目だったんです。
そして、日本でも学びたいと言っている人がいるので、その時は手伝ってほしいって言われました。イニシエーションを受けていないと手伝うことができないからと。それから1年も経たないうちに私は帰国したので、お手伝いをすることになりました。先生はアメリカ人なので英語が母国語なんですけど、カナダのケベック州にいる方なので、普段はフランス語で生活されています。ですから、フランス語で翻訳と通訳をしました。日本での一番最初のワークショップに関わっています。
ワダ:
絵里子さんは、英語よりフランス語?
松本:
英語は全然できない。フランス語です。
ワダ:
フランス語はなんでできたの?
松本:
日本の大学で仏文科でしたが、住んでからですね、しゃべれるようになったのは。
ワダ:
フランス語がしゃべれるってカッコいいな〜笑(ついついミーハーな・・・笑)
クリアって、英語のクリアーじゃないですよね。
松本:
スペルが「L」じゃなくって、「R」ですよね。サンスクリットの「クリア(Kriya)」。
ワダ:
クリアヨガって、みんな自分をクリアーすると思っている人が多いよね。
松本:
日本語だと「R」と「L」が一緒になっちゃいますからね。
結局、イメージにすると「クリアー」にするイメージですけどね。クリアヨガってね。
ワダ:
面白いですよね。そういう体験をされて。
松本:
そうですね。
ワダ:
その先生の話・・・信じるか信じないかは、あなた次第ですみたいな〜・・・笑
松本:
そうですね。本当に!
ワダ:
多分普通に考えて、火の玉からでてきたババジがヨガを教えてっていうことは、アーサナを指導して、ウォーリア2はそうじゃないんだとか、もう少し腰を引き込んでとか〜雪の中で・・・笑
松本:
爆笑
ワダ:
そういう話じゃなくて、神髄の部分のエッセンスを多分、本当にインストールするというか、左脳的になにか理屈を教えた訳じゃなくて、概念としてバーンと伝授したみたいな感じの可能性があるね〜。
松本:
そうですね〜、もっと詳しく聞いておけばよかったなぁと思いますね。
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自己変革というものも辞めようと。なんでもありでOK!

ワダ:
今まで、絵里子さんって、だいたいやりたいこと実現してますよね。例えば住まいにしても、こんなところに住みたいなと思うとポンと見つかるとか。
松本:
全部叶っています。パリに住みたいと思ったら2ヶ月後には住んでいました・・・笑
ワダ:
それは、例えば、選択というのでよく僕が話すんですが、シーナ・アイエンガー博士というコロンビア大学の盲目の教授なんですが、その先生がすごく好きで、彼女の選択というのは「運命と偶然と意思」が全部重なった時に、選択が起こっていると。  運命的に人生が運ばれて行くところにいろんな偶然が起こって、それを自分がどういう意識によって選択するかというのがあって、意思だけでは選択できない。そう考えると絵里子さんがパリと言った時にも、どういう選択が起こっていたのか? 元々パリが好きで、住みたいと思っていた訳じゃないでしょ?
松本:
そうですね。なんとなく面白そうだなと思いましたけど、行ってみたら、すごく自由に感じて、自分らしくいられる所だなと思ったからですね。
ワダ:
やっていること、人生のライフスタイルを見てても、すごく自由な感じがするんですよね。
松本:
はい。
ワダ:
例えば、経済的な面とか、いろいろ活動してるけど「いろいろ足りないから、売上げをなんとかしなきゃ」とか、そういう風なところが見えないというか・・・笑
松本:
ワダ:
何かそれは、自然に生かされてるってことですかね。
松本:
そこは、本当はもうちょっと取り組まないといけないところだと思うんだけど・・・笑 今までどうにかなって来てるかな。これからの課題ですね。もう少し現実的に計画した方がいいのかなって思いますけど・・・笑
ワダ:
そういう意味では僕も同じかも知れない。何か、金は天下の回りものじゃないけど、僕はいつも宇宙銀行に預けている感覚があるんですね。例えば1億円あったら、財布の中に1億円持って歩く訳ではないし、まあ、普通は銀行に預けてるじゃないですか。その時に必要な分しか財布の中には入っていないから、それなら一緒だと思うんですよね。
松本:
ねぇ〜
ワダ:
なんか一文無しみたいな感じだけど・・・笑 そうではないんだけど、そこに対する執着や恐れも、思いも別に無い・・・
松本:
エネルギーなんですよね、お金もどう捉えるかで。例えば預金が1,000万円で不安でどうしようもない人と1,000万円あったら十分だなと思う人と、捉え方で全然違うじゃないですか。
ワダ:
うん。
松本:
お金というものを循環させるエネルギーとして捉えるようになってから、すごく楽になりましたね。
ワダ:
そうですね。まさしく僕もそう思います。お金は交換手段の媒体するものでしかない。あるエネルギーを物質化して、ダイレクトにものができるのであれば、生活に必要なものとか、お金を介さずポンと出てくればいいんだけど、そうはいかない。だから、働くなりして、その対価としてそのエネルギーを一時的に担保するものとしてお金という形でもらうわけだけど、それはキャッシュでもらったり、もしくは銀行を介してお金が振り込まれたり、その時には数字しか動いていなくて、そこには物質として還元できるエネルギーが置かれているということですね。
松本:
ええ。
ワダ:
同じように、ビジネスでも、ビジネスモデルを作ることができたら、そこからお金が出てくるという、いわば錬金術の様なことで、何かそうやって空間にあるもの、もしくは宇宙の場にあるものから、その時に必要なものを生み出すんであれば、それを生み出すための装置として、ビジネスの仕組みを作ったり、もしくは働いたりすればいいという、そういう風に捉えてると、何か全然違う川の流れから水車使って水を取り出すように、その水車に変わるものは何かというイメージがすごくあって、流れているエネルギー、それを川辺で見てるのがリアリティーであれば、僕にとってのリアリティーがそういう意味であるんですよ。
松本:
はい。
ワダ:
やはりクリアリングって、そういうものがイメージとして掴めなかったり、見えてないというのは、やはり現実にすごく毒されてる感じがありますね。今の社会の現実というところにある生活のパターンとか、それにかかるストレスも、週末の遊びで解放する。そういうパターンの世界にいるのではなくて、全部自分で選べれるんだって。
松本:
そうですね。境目が無いのが私は好き。仕事も遊びも、あまり境目が無いというか。もちろん、お金というエネルギーを頂くのが仕事だという定義もあるのかも知れないけど、そうじゃなくてワクワクしていることをずっとやっていたいなって思うんですね。傍から見て、そこに苦労が含まれるとしても、自分が心から楽しんですることが、物質やら情報やら、何らかの形になって人さまの役に立つということが、仕事なのだと思っています。お金は、そこで交換する媒体なのかなと。どんな職業も同じではないかしら。
ワダ:
そういう風な視点で見られるようになった背景はなんでしょうね?なんでそんなになっちゃったんでしょうか?・・・笑
松本:
そうですね。あまりよく分かんないけど〜・・・爆笑  まあ、快楽主義者なんでしょうね。偽善はとても苦手。楽しいのが好き!
ワダ:
楽しんでる中にチャンスがやってくという・・・
松本:
そうですね。ただ、制限のあるところにいるので、自己否定っていうのが影のようにあって、快楽主義者と自己否定者というのが同時にありました。この葛藤が一番苦しかったですね。ずっと何年もこれを変えようとしてきたんです。  ヨガも自分を変えるために始めたし、ヒーリングも変わりたくて始めました。自己否定を変えようと思って、ある時気がついたんですね。ヒーリングの先生も亡くなってしまって、いよいよ、自分で立たなければならないと、今一度、振り返ったんです。ずっと自分のマイナス面を変えようと思って、実は、そこにエネルギーを注いでいたなと。影に栄養を与えているって、ある時気がついた時からすごく楽になりました。8年前ほど前かな。自己変革というものも辞めようと思って。。。
ワダ:
そのままでいいと。
松本:
はい。「そのままでいい。」という言葉も何となく違和感があって。言ってしまえば、何でもあり!・・・笑 なんでもありでOKかなっていう風に思えるようになって、「全部自分で選んでいる。」と、頭での理解ではなく、腑に落ちたときからですね。
ワダ:
僕もそれはすごく共感します。なんでもありじゃぁ駄目だろうというなら、その背景を見つめなきゃぁいけないと・・・なんで駄目なの?何が許せないの?という風に、自分はこれだけ我慢しているというところがあるわけだから。
松本:
はい。
ワダ:
自分自身に許可を与えてあげることができれば、他の人がやっていることも許せるとかもあるしね。
松本:
そう、我慢をしてるのさえ、自分が選んで、好き好んでやってるんだという風に思えるようになってから、ものすごく楽になって広がった感じがしますね。
ワダ:
気を付けないといけないことは、一般社会では社会の仕組みの中で生きている以上、反社会的なことに対しては、その中でのルールというものでやって行かないといけないけれども、そうじゃない部分では、求めていっていいと思うしね。  絵里子さんにとって、人生における喜びっていうのは?
松本:
いろいろあるんですよ。欲張りで!・・・笑 数年前、自分はどうありたいのかなって思い、自問自答したんですが、すごく単純に『幸せ』っていう言葉が出てきたんです。それこそ、えっ!何だっていう感じだったんですけど、じゃぁ幸せになるためにはどうしたいのかというところから、建築をすることもクリアリング・メソッドも出てきましたね。いろいろなタイプの方がいらっしゃいますが、ある一つのことを専門にして、そこに突き進んでいらっしゃるスペシャリストの方もいるじゃないですか。とっても憧れたし、羨ましいなってずっと思っていて、あまりに意識が分散して、興味も分散している自分を、ちょっとコンプレックスに思ったこともあるんですけれど、欲張りなのでどれも捨てられないんですね。
ワダ:
うん。
松本:
一番最初にパリに行ったきっかけは、「トレンド」、つまり、数年先の流行を作るというファッション関係でしたし、雑誌の料理ページに連載していたこともあるし、建築もやってるし、心身のセルフケアも仕事にしているし、生活全般、自分が生きていく上で必要な全てを、心地良くしていきたいというのが私かな。それを統合していきたいなって、今は思っています。
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ワダ:
そういう意味でも、パリに住む必要もあったし、伝統や審美眼、ライフスタイルとかね、それらに対するこだわりの強い人たちの中で磨かれる部分って、結果として今やっている背景には大事だったんですね。
松本:
そうですね。一番最初にパリで感動したのは、こんなに大都会なのに、街のど真中に必ず朝市が立つ、あれはすごく感動しましたね。
ワダ:
パリは大好きな街の一つだけど、何か面白いね。ちょっと裏に入ると汚いところもあるし、綺麗な街なのに、ゴミも落ちてるし犬のフンはあるし。なんか上見るとすごく綺麗なのに下見るとね。
松本:
そうです、混ざってます。
ワダ:
混ざってるね。
松本:
人間臭いですね。ラテン系はみんなそうですね。
ワダ:
絵里子さん引き出しが多いので、今日は、いろんなお話を伺えて、楽しかったです。また、雑談しましょうね。。。笑
松本:
ぜひぜひ。
ワダ:
今日はそんなところでありがとうございました。
松本:
ありがとうございました〜。
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【取材後記】

僕の周りには宇宙人がたくさんいる。絵里子さんも、そんな宇宙人のひとりだけど、ちょっと異色の宇宙人のひとりかもしれない。宇宙人と言っても、リアルな宇宙人という意味ではない。まあ、僕たちはみんな宇宙に生きているわけだから宇宙人なんだけど、つまり、地球のルール、いや、人間社会の文化風習に基づくルールに縛られない生き方という意味で、宇宙人ということなのだけれど。。。笑

実際に、絵里子さんと会ったことのある人はわかると思うけど、普通に生きている人とは違う時空を生きているようなオーラがあって、絵里子さんのこれまでの話を聞いたりすると、なるほど、だからそんな人生を生きているのかと合点がいく気がする・・・笑

自然体で、マイペース、すべては流れのままに、ある意味で、天然な人とも言えるけど、宇宙の法則を心得て、 爽やかに、軽やかに、なんでもありでOK!な人生を生きている絵里子さんにとっても共感するのだ。外の環境を変えるのも必要ならばやればいいけど、もっと大切なのは、自分の身体の環境をみつめ、整えて、さらには、エネルギーボディや心の在り方、意識のエネルギーも整えていく。まず、自分の内なる環境を再構築し、整えれば、自然と外の環境も必要に応じて整ってくるもの。そこは全く同じ考え。

これからの時代のスタンダードはこうした考え方、捉え方が当たり前の時代になっていくことは間違いない。絵里子さん的な宇宙人が、もっともっと出現してくれる時代が楽しみだな〜・・・

松本絵里子 プロフィール

レスパス代表

L’ESPACE(レスパス)とは、宇宙、空間、場所、間(場&時間)、天空を意味するフランス語。英語のSPACE。

 自分自身を心安らぐ
 『場』に整えて、
 自己のコアに繋がり、
 自分らしい人生を創造する

ことを 外的デザイン(空間設計デザイン)および、内的デザイン(セルフ・コンディショニングを身につけるクリアリング・メソッドのワークショップ、個人セッション、クリアリング・メソッドのスクール)を通して提案&サポートしている。

横浜市出身。

Q.O.L.(Quality Of Life : 人生や生活の質)に対する意識の高いフランスに惹かれ、1985年に渡仏。

トレンドの仕事を経て、 Ecole Nationale Superieure d’Architecture de Paris La Villette (フランス国立パリ建築学校ラ・ヴィレット校)卒業。

自分の内側に『居場所』をつくること、空間と人間のエネルギー相関関係に興味を持ち、建築を学ぶ。1993年帰国。

建築、インテリア、ヨガ、ピラティス、アロマテラピー、ヒーリング、各種エネルギーワーク、コーチング、NLPなどから、オリジナルメソッドを構築。

ステュディオ・ファサード
 (空間設計デザイン事務所)代表
エコール・ド・レスパス校長
クリアリング・メソッド
  ワークショップ主催

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