不思議なご縁に導かれて

ワダ:
今回のクエストカフェ・インタビューは、通訳で、ビジョン心理学トレーナーの大空夢湧子さんにお越しいただきました。
今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
大空:
ありがとうございます。よろしくお願いします。
ワダ:
実は、大空さんは、他にも肩書きがあって、翻訳もされるし、カウンセラーやアートセラピーのファシリテーターもされてるんですね。やはり、一番忙しくされているのが、通訳ということですか?
大空:
そうですね。今は通訳のお仕事が多いですね。
ワダ:
なるほど。大空夢湧子さんって、すごい印象的な名前だったので、本でお見かけして覚えていて、チャック・スペザーノ博士の本でしたね。
大空:
はい。「セルフ・セラピー・カード」とか、「傷つくならば、それは『愛』ではない」とかですね。後は、バシャール関係とか。
ワダ:
お名前は、珍しいですよね。お仕事用の活動名なんですか?
大空:
はい、まあ芸名みたいというかなんというか、ペンネームみたいな・・・笑 でも、大空は本名なんですよ。
ワダ:
そうだったんですか。。。すごく珍しいですよね。
大空:
そうなんです。免許証も大空でございます。
ワダ:
すごいですよね。
大空:
はい。広島の方である名前のようなんですね。父方は広島の方で、ルーツが水軍、海賊系みたいな感じだと思います。
ワダ:
へえ〜。向こうの方では、 結構多いんですか?
大空:
そんなには多くないと思いますよ。夢湧子の夢が湧くっていうのは当て字なんです・・・笑
ワダ:
大空に合わせてるんですね。。。ぴったりです!
大空:
ありがとうございます!
ワダ:
ところで、通訳のお仕事が多いと言われてましたが、基本的に、スピリチュアリティに関する方が多いですよね。
大空:
そうですね。今はスピリチュアルな講演やセミナーの通訳がほとんどです。
ワダ:
専門的な言葉やニュアンス、感覚の受け取り方が大事ですからね、この世界は。。。例えば、どんな方が多いんですか?
大空:
そうですね・・・ビジョン心理学のチャック・スペザーノさんとか、ホ・オポノポノのヒューレン先生、それから講演会では、例えばディーパック・チョプラさんとか、「神との対話」のニール・ドナルド・ウォルシュさん、それからセラピー系ではエリクソニアン催眠のスティーブン・ギリガンさんとか、NLPのロバート・ディルツさん、クリスティーナ・ホールさん、ファミリー・コンスタレーションのヘリンガーさんなどですね。
ワダ:
著名なすごい方たちばかりですね・・・
大空:
そうですね。私は、 本当に人のご縁に恵まれていると思います。
ワダ:
依頼は、先方からあるわけですか?
大空:
そうなんです。
ワダ:
それは素晴らしいですね!どういった経緯で、通訳の方へ行かれたんですか?もともと通訳をされてたんですか?
大空:
これもいろんなご縁があって、つながっているんですが・・・もう本当に若い頃に、その頃唯一、東京にひとつしかなかった、いわゆる自己啓発みたいなセミナーを、留学時代の友達の紹介で受けたんですね。その時に、そのセミナーを終わってサポートスタッフみたいに、ボランティアで行ってたんですが、そこの社長さんがアメリカ人だったんだけど、たまたまふらっと来られることになって、でも英語をしゃべれる人がいないから通訳が必要みたいな感じになって「そう言えば大空さん、アメリカへ留学してたんでしょ?」とか言われて「ぜひ通訳してください」ってことになってしまって。生まれて初めての通訳が、その通訳だったんですね。
ワダ:
うまくできましたか?・・・笑
大空:
はい。そのアメリカ人の社長さんが、トレーナーとして専門家なので、初めての私に合わせて話してくださったから、今から考えたら本当にビギナーズラックで、初心者としては上手にできちゃったんです。それで、そのセミナー会社は、外国人の講師が多いので、ときどき通訳してくださいって言われて、当時、私は銀行に勤めてたんですけど、土日とか通訳するようになり、それで、通訳の勉強をしっかりしようと思ってサイマルアカデミーっていうところで、同時通訳の勉強を、夜通って学びました。
ワダ:
そんな経緯なんですね。。。運命ですね。。。笑
大空:
そうなんです・・・笑
自分自身は、心のことが好きなので、チャック・スペザーノさんとかも偶然お会いしたんですけども。セミナーの通訳の中でセミナー関係の友達とかもいて、その関連である飲み会のようなパーティがあるからと言われて参加したときに「私はもう銀行を辞めようかと思うんです」って、初めて会った人たちに話してたら「あら、それならいい方がいるから、これから行きましょうよ」と言うことになって、夜だったんですけどタクシーに乗って、チャックさんが来日されていて会いに行ったんですね。それが初めての出会いで、それからチャックさんのセミナーも受けるようになり、やがてはチャックさんの通訳をするようになりました。銀行は無事に辞めて、最初はセラピストになりたかったんです。でも、すぐには何もできないと思い、勉強しながらも通訳をどんどんやるようになって、その頃一般通訳で、テレビニュースの同時通訳のお仕事をやったり、一般的な製薬会社さんとか、普通のビジネス通訳とか国際会議とかもやってました。
ワダ:
運命は面白いものですね。一般の通訳の仕事も、今の活動するために、結果的にはすごく訓練になったわけですね。
大空:
その通りですね。不思議なかたちでいろんなものがつながってきて、今があるっていうことですよね。
ワダ:
映画「ファインディング・ジョー」の中にある、まさに「試練の旅」で、その頃は、いろいろとありましたが、今となっては苦しい出来事にも感謝ですけどね。。。

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思いと心が一致するとエネルギーはエレガントに働いてくれる

ワダ:
大空さん自身は、いろいろな方々の通訳していると、その人が語ってることを、ただ翻訳してるだけじゃなくて、大空さんが言語を変換して出す過程を通す中で、その人が乗り移るような感覚なんてありませんか?。。。笑
大空:
それはありますね。私はどっちかというと、話し手の方と共感して話すタイプの通訳なんですね。なので、本当に相手の方の声のトーンとか、エネルギーの感じとかに合わせて話すっていうことに特化してると思います。だから、一般的な、例えば政治経済の通訳だったら、数字とか情報が正確であることがまず第一なので、別に声のトーンが強かろうが弱かろうが関係ないんですけど、私は最初、セミナーの通訳から始めたというのが本当に幸いなことであって、セミナーっていうのは生き物なので、通訳である私が困って、何を言うかわかんないで黙っちゃったら、流れが止まっちゃうので、間違ってもいいから声を出せって言われて、声のトーンとかも話し手の調子に合わせて、気持ちとかフィーリングに合わせて、ちょっと怒ってるようなときにはそんな感じの強さだったり、本当に優しく言ってるときには優しくとか、それをものすごく叩き込まれたんですね。それが後になって、本当に役に立ってます。
ワダ:
特に、マインドを扱うものとか、すごい深い潜在意識のところを扱うようなときには、すごい大事ですよね。
大空:
本当に極めて大事です。自分自身もカウンセリングの勉強とか、心理トレーニングのトレーナーの勉強を、本当に長年してきましたが、そのことが多分、今の通訳の仕事に活きてると思います。
ワダ:
大空さん自身のワークショップもされてるんですね?
大空:
そうですね。ビジョン心理学の公認トレーナーとして、チャック・スペザーノ博士の考えをベースにしているトレーニングで、心理学とすごくスピリチュアルなものとの間にあるような感じのトレーニングです。ちょっとカウンセリング的な形で、言葉を使って癒しにたどり着くような方法とか、それからカードを使ったリーディングとか、それとは別に、言葉を使わないでハートで感情を感じて相手とつながってゆき、そしてより高い意識とつながるみたいなジョイニングって方法があるんですけど、そんなことをやってます。
ワダ:
大空さんのオリジナルのコンテンツとかもあったりするんですか?
大空:
私のセミナーは、基本的にはオリジナルコンテンツの中に、ビジョン心理学の原則が活かされているって形ですね。
ワダ:
ああ、なるほどですね。
大空:
私はビジョン心理学のトレーニングを受けたと同時に、日本とカリフォルニアで、パーソンセンターの表現アートセラピーのファシリテーターの訓練を受けたんですね。それは絵をみて分析したり、いいね、悪いねと批判しないで、ただその人の感じ方で表現していく、その場を提供するっていう表現アートセラピーなんですけど、それも折り込んだり。それに加えて、お仕事の関係から、ファミリー・コンスタレーションっていう家族のシステムに着目していくセラピーがあるんですけど、それに出会ったんですね。トレーニングコースで3年くらい学んだんですけど、その考え方も取り入れてやってます。だから、すごくオリジナルなコンテンツですね。ベースはビジョン心理学なんですが・・・
ワダ:
チャック・スペザーノ博士の本はいくつか読みました。読んだ当時は、もうちょっと理解できなかったんですが、今はすごくよくわかります。あの頃の僕は頭で理解しようとしていたんだけど、その後、全然違う形でスポンと抜けて、許しとか、受容っていうのかな、受け入れる、それが体感覚でわかって、その後、全部がつながったんですよ。その感覚っていうのは、ネガティブゾーンからポジティブゾーンへと意識が拡張していくと、最終的に全てが手放されて、あるがままになる感覚っていうのが、自分の体感覚としてあって。
大空:
体感覚として、全部つながったんですね。
ワダ:
はいって言っていいのか。。。笑 でも、そうなんですね。全然、悟ってないんですけど。。。笑
いろいろな人と会ったり、僕の仕事上、企業の経営者の方と会うことが多いんだけど、クライアントの相談を受けるときに「なぜそうしたいのか」という、そのひとつの質問が常にあるわけですよ。それは僕自身にも。
何か選択が起こるときとか、僕も含めて、今社会が向かってる方向も「なぜそうなのかって」いつも質問がくるわけですよね。それで、結局その背景には、こういう理由、事情があって、その事情の元となっているものが、結局、抑圧したものであるとか、過去に本当はこういうことがしたかったのにできなかったというものを怒りとして抱えるのか、できないで諦めから悲しみにいくのか、本当は行きたいけど、行くと何か起こるかもしれないっていう恐れからくるのかっていうものが、全部抑圧されて、そこから発信してるものが、今の選択の状況を作ってると。そのために、ただポジティブで行こうよ、みたいなイケイケじゃなくて、そこでポジティブは非常に危険なわけですよね。抑圧に蓋をしてポジティブに行けば、さらに抑圧される。だから、そういったものに自分が気づいていく過程には、多分、ビジョン心理学の考え方なんかも僕には役だったんだと思います。
大空:
いろんな色の糸が織り込まれたカーペットみたいな感じですよね。人間関係のパターンとか、今抱えている問題にはどんな背景があるのかというのを理解する上で、すごく役に立つと思います。スペザーノ博士の「傷つくならば、それは『愛』ではない」という本も、パートナーシップの話とか、人間関係全般のいろんな捉え方が書かれていて、ちょっと一般の常識的な捉え方とは違う部分もあるけれど、読んでいるうちに、その考え方の筋道がつかめてきて、とても素晴らしいです。お陰さまでロングセラーになっている本ですね。
ワダ:
準備ができたら師が現れるっていう言葉が好きなんですけど、人に勧められてビジョン心理学がいいと言われたとしても、やはりその人のタイミングがあるので、本当に腑に落ちて、そうだったんだと理解する人もいれば、自分のプロセスを見つめたくない、受け入れたくないが故に抵抗して、否定的にみる人もいるでしょうね。
大空:
そうですね。それぞれの方の魂が、その方の安全を守ってくれているので、その方に相応しいスピードで進んでいくんじゃないかなって私は考えてます。
ワダ:
ある時に、ふと気になる本が本棚から出てきて、ふと開いてみたら「あれ、こんな本あったっけ」とか「そういえば3年くらい前に、誰かがくれたんだな」って読んでない本とか、途中でやめてしまった本とかあるでしょ。
大空:
ありますね。
ワダ:
そういうのもタイミングなんだなと思うんですね。もたらされてるのは、いつももたらされていると。でも、自分のタイミングでしか受け取れない。
大空:
そうですね。受け取り手の体勢ですよね。宇宙はいつも発信してくれてるんだけど、こっちの受信体勢が圏外だったりとか、アンテナが一本しか立ってないとか、なかなか受信できないような感じですよね。その時に「あっ私にはわからない」と素直になることが、いろんな助けを受け取るヒントになると思っています。
ワダ:
なるほど。
大空:
私たちは、普段は、自分は答を知っていると思って生きてますよね。本当はわかっていないんだけど、もう自分で自分の教師であるかのように、自分が自分のコーチであるかのように、まったく未知なる状況でも、自分が答をわかっているかのように過去のいろんな経験と照らし合わせて、なんとか解決しようとするじゃないですか。だけど、まったく新しい状況の中にいるときには、過去の経験だけでは絶対に答は得られないですよね。だから、新しい答を得ていくときに、やっぱり「自分は知ってるんだ」という思いを手放すことがすごく大事だと思うんですよね。
ある意味で、自分で自分の先生になるのをやめるというか「あっ私は知らないんだ」っていうことを「私にはわかりません」と言うことで、今まで送信されていたいろんなデータを受信できる。宇宙の中に漂ってる、この場の中にある、すでに満ちてるいろんな情報が、自分の中に入って来られる。そんな風に感じます。
ワダ:
すごくわかります・・・笑
本当に自分が必要としていたら、ただドアを開けるだけでいい。自ら探しに行かなくても、向こうから入ってくることって、すごくあると思うんですよ。
大空:
私もその通りだと思います。
ワダ:
結局、自分から進んでいろいろやっても、結果的に得られるものって同じものしか得られないと思ってるんです。僕はよくこういうこと言うんですけど、1000人の人とご縁をつなぎたいと思って、一生懸命、交流会とかにたくさん出て人に会って1000人に名刺を配る。でも、それはほとんど役にたたなくて、人とのご縁は、実はぜんぜん関係ないと。
積極的に人に会って信頼関係を築く3人と、何もしない中で、ご縁で会って信頼関係を築く人は同じ人だという仮説なんだけど、これはかなり真理だと思ってるんですね。
大空:
はい・・・笑

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ワダ:
1000人に会わないとご縁はできないと思っているビリーフがそういう行動をさせます。そのあせりや不安を1000人と出会うことによって取り除いていって、それがある意味でいいセラピーになるなら、それはそれでいいかもしれない。でも、別にそれはしなくても、出会う人は結果的に一緒なんだよなと思うと、人と交流するのが楽しければそれを楽しんでいけばいいし、でもそうしなくても、宇宙を信頼して、自分が人生で必要な人には、絶対に出会えると信じていれば、それはそのようになると。これは、僕自身がたくさん体験していることでもあります。だったら日々、楽しむだけでいいじゃん。そうすると、楽しみの中に、ぽんと会うべき人が現れるっていうのが最高みたいな感覚が、僕にはあります。
大空:
素晴らしいですね。私のやっているビジョン心理学の学びの中に、人間はどんな人も同じような筋道で成長していくという考え方があります。それぞれ人種とか考え方は違うけれど、どんな人も共通して、大体こんな筋道で大人になって成長していくんじゃないの?っていうモデルを、地図にまとめてあるんですね。三角形のモデルで、ビジョン心理学の成長モデルっていってるんです。
例えば、先ほどお話に出た「傷つくならば、それは『愛』ではない」も、それを元にして書かれてるし、「セルフ・セラピー・カード」もその考え方が元になってるんですね。すごく面白いのは、最初どんな人も依存的な状態から始まるんですよね。例えば、赤ちゃんは、本当にお父さんお母さんに全部頼ってるし、小学校に入ったら1年生も全然右も左もわかんない、新入社員も全くわからないから上司とか先輩からこっちだよ、あっちだよって言われて、頼ってる状態から始まる。それがやがて自立するようになって、それはいいことなんだけど、自立する前の依存のときに、私たちはいろいろと感じすぎて、そして、傷つきもするので、自立するときに、もうあんまり感じすぎるのはいやだと思って、感情に蓋をしてしまい、ハートをちょっと切り離して、あんまし感じないようにして、とにかく自分の力でがんばってやっていこうぜみたいな、そういうノリになるんですよね。
ワダ:
なるほど。
大空:
それで大人になって、仕事始めたりとかすると、「とにかく自分の力で頑張る!」みたいな感じで、他の人のことはあんまり考えられなくて、自分の力でどんどん頑張ることはできるという段階なんですよね。でも、そういう風にとにかく自分の力だけでがんばっていくと、やがて疲れ切ってしまって、疲労困憊してしまい、これ以上は行けないみたいな感じに突き当たる。そのことを「デッドゾーン」って言ってるんですね。でもデッドゾーンで人生が終わりじゃなくて、その先があるんですね。その自立の先を相互依存って呼んでますけど、お互いに助けて、助けを受け取って、そして一緒に成功していくような生き方があると考えてるんですね。今、個人レベルでも、大体の大人の人は40歳近くなるとデッドゾーンに入っちゃうんですね。
国も同じように成長の段階を得ていくので、世界の先進国、例えばサミットに登場するような国々って、みんなデッドゾーンの意識の中にいるんですね。これから本当に、共生=共に生きていくことが大事で、リーダーシップもパートナーシップの方に行く途中にあるんですね。それで今、人類が大きく、自立的な意識で、自分の力だけで頑張っていくところから、一緒に助けを与えて、助けを受け取りながら共に成功していこうよという方向に大きく角を曲がるところに来てるって思います。
先ほどの1000人の人に会わなきゃっていうのは、やっぱりデットゾーンに入ってる自立的なタイプの段階のときには、それもありだったと思うんですよね。とにかく、どんどんハードワークになって行くんです、デッドゾーンっていうのは。とにかく頑張らなきゃってお尻を叩きながら、大変なんだけどヒーフー言いながら、ハードにハードにやっていく。でもそれが成長して、例えば相互依存の段階になって、より広いビジョンを受け取ったり、また自分のセンターとつながってきて、本当に思いと心が一致してきたりすると「あ、この人に会おう」みたいに思うと、本当にぴったり現れてくれるみたいな、時間とかいろんなエネルギーもすごく効率的にエレガントに働いてくれるようになる。そんな風に考えてます。
ワダ:
本当にそう思いますね。1000人にアクセスしようとする背景には、そうしなければ得られないという思いがあって、そういう観念がありますよね。だから、ある意味でもっと深いところには恐れがあったりするわけです。だから、もしかすると、そうしなければ得られないという観念があるから、そういう行動を起こすわけですけど、やっぱ得られないから得られないわけですよね。
大空:
そうなんですよね。
ワダ:
50人じゃ得られない、100人じゃ得られない、じゃやっぱ1000人みたいな。マインドセットが「大丈夫だ」と、「自分はベストで最高のタイミングにこの人と会う」っていうマインドセットがある人は、ゆったりしてますよね。それで「やっぱり来た、ほらね」っていう。そういうことを100%信じられてると、100%信じてる世界を生きる。宇宙のしくみって、僕の経験からもそうなってるから、逆にそうでないとムリをして、気持ちがあるっていうことはやはり、そういう形でしか得られないようなマインドセットになってる。だから、それっていろいろ活動をして、デッドゾーンの中で活動するのは、その人のプロセスだから、それは全部悪いことでもないし、逆にそういう中でエネルギー使うことだって、多分、自分自身に出会っていくっていうか、だと思うんですけどね。
大空:
誰もがそういう段階を経て成長していくので、その自立的な段階もそれはその段階であるし、デッドゾーンの中で、本当に1000人頑張るぞと言ってやるのも、その段階にはまあ相応しい行動だと思うんですよね。だから、それだからダメなんだ、いいんだとかってことではなくて、それが本当に、我々が辿って行く道なんだと思うんですよね。
ワダ:
結果的に、誰もがそこは行かなきゃいけないんですよね、一時的に。。。
大空:
そうなんですよね。だからいきなり、例えば、瞬間的に悟りの状態に入ることができる人がいると思いますね。例えば、ものすごく勇気があれば、一気に瞬間的に悟ることができる人がいると思うけど、私も含めて大部分の人は、一瞬なにかこう「あ、解った!」って経験をしても、そこの状態に例えば10分以上とどまるっていうのは、かなり精神的な筋力が必要ですよね。やっぱり、心の中の筋肉を蓄えておかないと、やっぱりその姿勢は保てないっていうか。それはそれで、味見的な体験があってもいいかなと思うんですけどね。

宇宙ともパートナーシップをとっていく

ワダ:
映画「ファインディング・ジョー『英雄の法則』」の中でまさにヒーローズ・ジャーニー=英雄の旅という、これはまさに一緒のパターンですね。ちょっと形は違うけれど。英雄の旅の中では Threshold(境界線)っていうところがあって。境界の越境っていうのは2回起こるんですよね。この世界から冒険の世界へ、また、冒険の世界から帰還するときに。
大空:
みんなと同じように生きる。村の生活ですよね。村でみんな同じようにお米まいたり、同じ時期に田植えしたりとか、みんなと同じにやっていく。
ワダ:
そこから、ある段階で必ずコーリングが起こって、冒険の旅に誘われる。「ロード・オブ・ザ・リング」もそうですけど、主人公のフロドが突然指輪を託されて、火山へ捨てに行かなければならなくなる。村から出るときに、本当に自分が行くのか、他の誰かに任せたほうがいいんじゃないかっていうことで、自分を試される。そこがひとつの境界の越境だけど、先ほどの話で面白いのは、その後の試練の旅を続けていく中で、英雄の旅では、デッドゾーンに行くっていうのは、ヒーローがもう一回こっちの世界に戻ってくる時に、境界の越境を拒むときがあるんですよ。つまり帰りたくないと。それは、慣れ親しんだ、この戦いの世界に何か自分の生きる道を見つけてしまったような錯覚に陥って、戦い続けるような状態になったり、苦しいんだけど、その先にまだあるんじゃないかって思って、これが終わってしまうと、喪失感やそこから得ていたエネルギーを得られなくなってしまうと言うような、そこへの依存感から離れられないような。そういう一種の起こりうるカタルシスに対する抵抗みたいな。だから、逆にこっちの世界の方から連れ戻しにいくようなエネルギーが働くなり、直接、迎えに行ったり、連れ戻しに行く人がいたりするようですね。それで、その最後の境界を越えて、こっちに帰ってこれる。
大空:
村に帰ってくるんですね。
ワダ:
はい。そういう意味では、デッドゾーンというのは、プロセスが終われば自然に抜けていくと考えられますが、どうでしょうね。
大空:
ビジョン心理学の三角形の成長モデルとジョゼフ・キャンベルさんの作っているヒーローズ・ジャーニーのモデルは別のモデルなので、必ずしも両方のモデルを同じように当てはめて見ていくのは、ちょっと難しい面もあるかもしれないと思うんですけれども、ある意味で、我々の人生というのは、みんなヒーローズ・ジャーニーだと言えると思うんですよね。そして、最終的には、魂がワンネスの状態に戻っていく、その道をたどっているという意味では、三角形のモデルにすごく合っているように思えますね。
生まれたときは、あらゆるものとつながってるワンネスの意識であって、そして、最終的に成長して戻っていくのは、やっぱりあらゆるものとつながっているというワンネスの意識ですよね。だから、デッドゾーンはその中のひとつの段階であって、でも、もしかしたらもっと前の段階のときに、村を出てる人もいると思いますよ。依存の段階のときに、ものすごく拒絶感を味わって、ハートブレイクから、もう村から出てしまうとか。
ワダ:
いろんな形があるってことなんですね。
大空:
いろんな形があると思います。
ワダ:
デッドゾーンって言うのは、集合無意識的っていう言い方がいいのか判らないけど、今、社会のひとつのトレンドとして見たときに、今、時代がひとつのデッドゾーンの極みに来てるって感じますが。
大空:
そうなんです、人類の意識もだんだん成長してきましたよね。ご存知のように、20世紀に入ってものすごく急成長して、ここ30年くらいで、またすごい速度で成長したと思うんですけど、第2次世界大戦以降、デッドゾーンに大きく入ってきたと思うんです。それで、チャックさんがよく言ってたのは、あの9.11で、アメリカはデッドゾーンからひとつ前の段階のパワーストラグルという主導権争いに戻ってしまったと。
ワダ:
なるほど。
大空:
だから、戦わずに距離を置いておこうというような状態がデッドゾーンなんだけど、その前の段階は積極的に戦争したり、戦うんですよね。そこに戻ってしまって、いわばサダム・フセインが敵、シャドー役になって、そして、オサマ・ビンラディンのような悪役を倒す、みたいなところで、戦争モードに戻ってしまったと言ってます。
ワダ:
まさに、Threshold=境界の越境ですよね。
大空:
そうですね。

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ワダ:
だから本当に今、越えていく勇気が必要。みんなとワンネスになっていくような意識への挑戦。例えば、僕はTEDが大好きで、TEDを観てると、あのような情報の共有感っていうか、まさに内側からみんな越えようとしている感じが素晴らしい。
大空:
素晴らしいですよね〜!
今は変化の真っ只中であって、今まで水面下にあった未完了の様々な感情、落ち込みであるとか、分離感や孤立感であるとか、そういうのがものすごい勢いで吹き上げてきてるような、そういうプロセスの中にあると思います。だから、すごく敏感に感じる方とか、自分自身を癒し続けてる方は、やっぱりこの時期、集合的無意識にリンクしてることによって、一緒に集合的無意識が抱えている分離感とか悲しみとか、そのプロセスを癒している段階だと思うので、感じている方によっては、結構しんどい時期とも言えるかもしれないですね。それと同時に、シンクロもバンバン起きてるし、ものすごく早いスピードでいろんなことが実現していく、そういうことも起きているので、両方の面、ものすごくスリリングな乗り物に乗っているような、そんな感じはありますよね。
ワダ:
社会全体、世界全体が本当にデトックス、浄化のプロセスの真っ只中です。僕はこの3年くらい、めくるめく面白いことが起こっているので、わくわくせずにはいられない状態になっています。次は何が起きるだろう、次は何が起きるだろうって感じで、日々本当に楽しくて。
大空:
そのわくわく感って、すごくありがたいし、うれしいですよね。
ワダ:
情熱が上がってくるというのはこういうことなんだな、みたいな。すごく楽しんでるところなんですけどね。
大空:
あとユーモアとか、茶目っ気みたいな、ちょっと笑い飛ばしちゃうみたいな、そういうのも今の時期とても大事だと思いますね。下手すると、怖がらせるような情報もあるし、どんどん深刻になっていってしまうし、それで怖がったり、落ち込んだりしても、ものごとは進まないですよね。返ってどんどん行き詰っちゃうので、だから本当にイロハのイじゃないですけど、基本的なところに立ち戻ってもいいかなというのが、最近の私の結論です。
それは何かっていうと、個人レベルで、未だにデッドゾーンでハードワークしているところを手放していったり、本当に身近な人とつながっていって、今までシェアしてこなかったこともシェアして、誤解を解いてつながっていくみたいな、そんな本当に地道なことなんだけど、当たり前みたいなことなんだけど、そういうことが多分、一番大事なのかな。
ワダ:
自分が何を選択していくかっていうことが、その人次第であるんだけど、そこでどういう世界が展開していくかが決まるって感じですね。
大空:
そうですね。そして、いわゆる自立的な世界観を手放していくってことだと思うんですね。つまり、自分が選択してこの現実があるっていうのはその通りなんだけれども、自分の選択の根底に、ものすごく今までの論理的なマインドとか、自分の頭で考えていることだけをベースにしてると行き詰ってしまいますよね。だから、さらに大きなインスピレーションとかを受け取っていくためには、自分のエゴに対する執着を手放していかなきゃいけないっていうか。ワンネスの意識っていうか、平和な意識をハイアーマインドってビジョン心理学では呼んでるんですけど、ハイアーマインドの与えてくれるインスピレーションとか情報を、本当に受け取っていくっていうことは、エゴにとってはちょっと悔しいことっていうか、自分で考えて私がやったって思いたいのに、なんでそれに従うんですかみたいな、そこにバトルがあるんですよね。だから本当に自立的に自分だけでやるっていうのは手放して、宇宙ともパートナーシップをとっていくという選択を迫られてるんだと思うんですね。
ワダ:
依存するのと、委ねるっていうのって、違うじゃないですか。
大空:
違いますね。
ワダ:
委ねるっていうのは、自分でも自立している。けれど、お任せしますっていうことですよね。
大空:
依存っていうのも、ビジョン心理学でいう依存の定義でいうと、すごく被害者意識が元になってるんですよね。あの人たちのせいで私はこうなってるみたいな、自分の人生に対して、自分の選択のパワーが感じられてない状態なんですよね。
ワダ:
自分自身ではどうすることもできないっていう
大空:
どうしようもできないって思ってしまいがちな段階です。でも、やがて、その次の自立的な段階っていうのは、ちょっとイケイケみたいな感じがあって。だけど、さっきの引き寄せの法則でも、すごく自立的に、自分はこれが欲しいんだからみたいな感じで、自立的なポジティブシンキングで引き寄せるっていうのは、ちょっと危険性もあるわけですよね。
本当にパートナーシップのところに立って、自分もみんなも成功していくっていうWIN-WINのところから引き寄せるのは、すごく真実だと思うけど、時にはなんか自分だけうまくいけばいいじゃんみたいな感じで、「引き寄せます!」みたいな感じは、ちょっとなんか「あれ?」みたいな。周りの人とのバランスがとか調和がない状態を引き起こしかねないですよね。
ワダ:
そうですね。実現はしちゃうんだけど・・・
大空:
そうなんですよね。
ワダ:
実現しちゃうけど、その分、いろんな荷物も来るよってことで。クリアに、そういうとこも全部昇華したものとしてやると、心地よいというか快適ですけどね。そこは、その人それぞれのプロセスとして、やっぱり、体験していくものだろうなと思うんですけど。
大空:
そうですね。
ワダ:
なるほど面白い、深いですね〜。

仕事とは愛が形になったもの

ワダ:
お話を聞いてて、もう大空さん自身のセミナーやセッションなどの活動だけでも素晴らしいと思えますが・・・笑。 敢えて通訳を続けられているというのは、何か思いがあるんですか?
大空:
私は、本当に自然な流れで通訳になって、そして、さっき言ったような、本当に興味深い先生方たちとお会いするっていうのも、こちらからマーケティングしているのではなくて、全部口コミでいただいてるんですよね。
私自身は、本当はセミナーのトレーナーとか、そういうセラピスト関係をやりたいと思ってたのにな〜ってずっと思ってたんですけど、でも、ここ5〜6年前くらいからですかね、私の才能っていうか、私の持ってるギフトは言葉なんだってことがわかり、その言葉を使って人と人をつないでいくっていうことが、私自身の人生の使命のひとつなんだ。だから、こんなに自然な形で、素晴らしい方たちといろいろお会いしたりする道が開けてるんだなってことがわかって。やっぱりどんなことでも1万時間ルールってありますよね。1万時間やるとどんなことでも上達するみたいな。私も通訳に関しては1万時間をとっくに過ぎてると思うんですけど。だから、やり続けることによって、その中でどんな風にクリエイティブに表現してくのかってことがわかってきて、そうすると、本当に面白くなってくるんですよね。
自分の持っているいろいろなリソース、いろいろ学んできたこととか、それを本当にいい形で活かして、他の方たちの助けになっていくっていうことで、通訳は天命なんだなって思うようになりました。
ホ・オポノポノのヒューレン先生の通訳も2回目の来日からずっとさせていただいてるんですけど、あるときに「あなた、通訳してるとき何も考えてないでしょ」って言われて。本当に私、何も考えてないんですよね。訳すことには頭を使ってるけどって。「何にも考えてないからいいんだよ」って言われて。それで、先生は自分の中の神聖なる存在のことをディビニティっておっしゃるんですけども、そのディビニティが言ってますって。「私が話すことは、もう夢湧子が訳すっていうように、もうディビニティが決めてるから、もう僕はクリーニングし続けるしかありません」って言ってました。だから、そんな風に通訳のギフト、経験とか技能を使っていくことが、自分にとってのひとつの役割なんだなっていうことにすごく納得していますので、これからも自分のセミナーとか講座をやりつつ、通訳はやり続けるだろうと思います。
ワダ:
通訳というのは、広い意味で考えると、結局、みんなやってることのような気がするんですよね。つまり、宇宙を表現してるみたいな。エゴっていうものがない、自分っていう意識があるけど、実際には宇宙が表現したいことを僕たちを通じて表現してる、それを自分がやってるように思っているけど。
大空:
そうなんですよね。
ワダ:
となると、さっきね何も考えないっていう、ただ水を流す水道のパイプのように、水道のパイプをエゴによって詰まらせてるようなところがあると思うので、やっぱりそれをクリアにして、それこそヒューレン博士じゃないけど、クリーニングして、できれば水道のパイプにしといたら放っておいても、いろんなことが流れてくる。自分こんなに能力があったのかとか、こんなことができるのかとか、こんな素晴らしい世界に生きれてるんだ、ってことがどんどん起こってくると思うんですよね。宇宙はそうしたいわけですから。
僕もデザインっていう仕事を通じてやるときに、若い頃はやっぱり自分の力を表現したいとか、自分の価値、存在価値っていうのを一所懸命、証明しようとして、いろんなことやったわけですけど、やっぱり今は、流れのままに従って、来たものをすっと表現できる落としどころはなにかなって考えてるんですけどね。
大空:
よく私が引用する好きな言葉なんですけど、ハリール・ジブランっていう「預言者」っていうのを書いた人がいて、もう多分、大正時代くらいの年代の昔の人ですけど、中東のレバノンの人なんですが「仕事とは愛が目に見える形になったもの」って言ってるんです。だから、仕事っていうのは、愛が具体的に形になったものなんだっていうことなんですよね。そういう意味でいうと、いろんな様々な形を通して、例えば、こんなつまらない仕事って自分では思うかもしれないけれど、それも、愛が形になったものなんですよね。
ワダ:
深いですね〜。
大空:
う〜ん
ワダ:
中東といえばルーミーとかね。
大空:
ルーミー素晴らしいですよね。
ワダ:
本当にすごいですよね、中世の詩人として。老子だってものすごいし。
大空:
はい、そうですよね。
ワダ:
紀元前の世界でも、中世でも、あんな深い教えって考えると、時代の進歩、進化って何だろうと思います。
大空:
そうですよね。たぶん、ルーミーとか老子の様な人も、パイプのお掃除をすごくなさった方なんじゃないでしょうかね。そして、あの言葉が浮かんでくるような状態を自分の中に生み出すっていうことができたんじゃないですかね。
ワダ:
本当に、誰の意識にも同じ情報が届いてるはずなんですけどね。チューニングを合わせるか、合わせないかっていうとこだけだと思うんですけど。
大空:
そうですね。そんなに情報が届いてないなとか、以前の自分はそんなに聞いてなかったなってことに対しても、優しさを持つことはすごく大事だと思います。例えば、人それぞれいろんな背景がありますよね。いろいろと個人的に経験なさってる方もあるし、もうそんなことを聞くようなことは、とにかくとんでもないって、自分は例えばもう意識の扉をしっかり閉めて、現実レベルで日々安心して生きていくことだけで精一杯っていう、その場合もあると思います。それで、いろんな感情が出てきても、それには蓋をして、とにかく今はお金を稼いでくだけで精一杯だって、そのことに対して、今はそうなんだよねっていう風に、優しさと慈悲の気持ちを持つってことが、多分、一番の鍵かなって思いますね。
ワダ:
素晴らしいですね。
大空:
自分に対する慈悲の気持ちっていうのは最大のチャレンジですよね。
例えば私はカードリーディングしますが、自分のいろんなネガティブな面に対する優しさとか慈悲の気持ちを養っていくことがまず第一で、それをすればお客さまがネガティブなカードだらけになっても、それに対して優しく読み取ることができると思うんですよね。でも人様に対して優しくする以上に、自分に対する優しいのは一番難しいです。
ワダ:
自分で考えてるだけじゃ難しいから、そういう意味ではね、宣伝みたいになりますけど・・・笑
大空さんのワークショップに出てみて、そういうとこのケアも含めて、アプローチの仕方みたいなことを少し学んでみるっていうのは、すごく大事なことでしょうね。
大空:
笑 それはありがとうございます。そうですね、カードリーディングの講座でいつも言うのは、本当にもう優しく読んでくださいねっていう。優しさが大事ですよね。

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自分の中にあるメッセージはすごい

ワダ:
大空さんは、スピリチュアリティのバックグラウンドができた背景っていうのは、なんかあったんでしょうか? 生まれはどちらですか?
大空:
生まれは東京です。学校は幼稚園からずっとキリスト教の学校だったんで、キリスト教の教えっていうのは学んだりしてきたんですけど、特にそんな熱心なわけではなく、でもまあ、心の中のこととか、本当に興味があったんだと思いますね。
ワダ:
僕の場合は、それこそシャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」に出会ったのが大きかったんですけど。
大空:
ああ〜!笑
私もそうですね。シャーリー・マクレーンの本はすごくきっかけでした。でも、今から言ったら本当にシンクロとしか思えないんですよね、いろんな出会いが。
本当に通訳していてラッキーだったのは、ネイティブ・アメリカン系のいろんな長老とかにお会いする仕事も一時すごく来て、ビジョンクエストとかも何回かしたんですよね。
ワダ:
向こうでですか?
大空:
はい、向こうで。ビジョンクエストをしている山があって、そこに一緒に行ってやるっていうのについて行く仕事があって、自分もビジョンクエスト、そこでさせてもらって、そこに3回くらい行ったんですかね。ワシントン州のサンベアさんって、もう亡くなった方なんですけど、その方は、ご自身はネイティブ・アメリカンなんですけど、白人の人も含めたベアトライブというコミュニティを作ってて、海外からの参加者も含めて、その山でビジョンクエストを教えてたんです。その山はもう1000年以上前から、昔からビジョンクエストに使われてる場所だったんで、壁画とかが残ってるようなとこでした。
ワダ:
ワシントン州のどこら辺りで・・・?
大空:
内陸部のスポーカーンの方でした。
ワダ:
森ですか?
大空:
土が乾いている。木はあるんですけど、シアトルの方みたいに雨がなくて、乾いているところでした。なんかもう、空がピーカーン!って感じでしたね。川はあるんだけど、雨は少なくって、空気が乾いてて。
ワダ:
めちゃめちゃ興味深いな〜。
大空:
最初に行ったのは、多分90年とかそれくらいだったと思うんですけど、それ以前にすでにいろんなセラピーとかいっぱい受けまくってたわけですよね。ゲシュタルトもやったり。もう本当に初期の頃です。チャックさんに会ったのも86年ですから。
ワダ:
ああ、そうなんですか〜
大空:
そこでのビジョンクエストは、ただ、この部屋ぐらいの自分のスペースの中でゴロゴロ寝たりとかしてるだけなんですが、そこで受け取ったメッセージは、すごくリアルに自分の心に響いて、どんなセラピーより、自分の中にあるメッセージっていうのは、すごいんだなみないなのを感じました。
ワダ:
やっぱりね、現代生活では、別に都会にいようがどこに居ようが一緒かもしれませんけど、日本だけに限らずね。現代的な生活の中にいると、そういった自分の内なる声っていうものに、なかなか耳を傾ける時間がない。そこに意識が向かないと。
日々のストレスの中で、もう家に帰ったら、取り敢えずすぐ寝るのか、一杯酒を飲むのか、後はお笑いとかバラエティ観て、息抜きするか。そっちの方ばっかりになっちゃますよね。
大空:
そうですね。
ワダ:
根本的に、ホリスティックに自分のライフスタイルを見つめてみないと。例えば、テレビでバラエティ番組ばっかり見てしまったりとか、そういったところにあるっていう自分は、ある意味で、ちょっと危険信号。自分の本当の声を聞く時間っていうのはすごく大事ですね。
大空:
静かに自分の中の、いわば叡智とつながる時間っていうのを持つような、ほんの1分でも2分でもいいから、パソコンの前でちょっと目をつむってつながるとか、なんか怪しまれない感じで、都会の中でもできることはいっぱいあるかなと思いますね。
ワダ:
さて、今後の大空さんの展開は、どんなイメージをされてますか。
大空:
そうですね、言葉っていうことは、多分私からできる貢献だと思いますので、私の今まで学んだこととか、それをわかりやすく言葉にして伝えていく、それを話し言葉にしたり、または書き言葉として伝えていくっていうことが、これからやっていくべきことだなっていうふうに思ってます。
長い間、学んでくると、もう当たり前みたいになっちゃってることってあるじゃないですか。で、同じような理解の人たちだともう全然、前置きなしにこういうふうに本音の話っていうか、すごく話しますよね。それで、他にまったくそういうのをあまり知らない方もわかってくださるだろうぐらいな感じで発信してしまうことってよくあると思うんですよね。例えば、自分が出してるブログとかメルマガとかであったとしても、よく判る人にはああよかった、よかったなんだけど、あまり知らない方にとって、どのくらい通じてるのかなっていうのはすごくあって、そこらへんを判りやすくするのが私の役目かなっていうふうに思ってます。本も出したいなと思っています。
ワダ:
せっかくのご縁をいただいたので、また何かご一緒できるといいですね。
大空:
そうですね、何かジョイントできたら楽しみですね。
ワダ:
今日はいろいろとお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
大空:
こちらこそ、楽しいお時間をどうもありがとうございました。
* 制作協力 : 網 まどか
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【取材後記】

大空さんのお名前は、僕が持っていたいくつかの本で翻訳者として見かけていた。今回、友人の花慧さんにご紹介いただいてお会いしたとき、とても興味深かったので、インタビューさせていただいた。大空さんは、とてもピュアでポジティブな人だなと、初めてお会いしたときに思ったけれど、お話を聞いていて、すごく真っ直ぐにものごとを見ていて、情熱を持って楽しく活動されている、そんなエネルギーやオーラを感じた。柔らかいのに、とてもパワフル。柔よく剛を制すとは柔術でよく使われる言葉だけれど、兵法の中の一節だそうだ。「柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができるということ」という意味らしい。

大空さんが、何かを押さえつけるわけではないけれど(笑)、柔らかく、しかし、しっかりと取り組む。お話も含めて、そんな「しなやかな強さ」みたいな生き方の大切さを、大空さんから得ることができたように思う。

通訳者としての大空さんでなければ伝えられない言葉がある。せっかくの素晴らしい講演やセミナー、内容も、通訳する方によって、その伝わり方は半減もすれば、さっぱり大切なところが伝わらないと言うこともある。もっと言えば、大空さんのように、自らもそのことを十分に理解されて、さらに伝える力も高い方は、その講師、セミナーリーダーの力を増幅させて、ダイレクトに聞くよりも、もっとわかりやすく伝わってくることだってある。大空さんの通訳はそんな通訳なのだろう。エネルギーそのものを伝えるコミュニケイター・・・大空さんの今後のさらなるご活躍に期待したい!

大空夢湧子 プロフィール

ビジョン心理学トレーナー。通訳。翻訳。カウンセラー。パーソン・センタード表現アートセラピー・ファシリテーター。

20数年にわたり自己成長と癒しのためのセミナーやワークと関わり、多くの方々とふれあいサポートをするとともに、国内外で自身の学びを続ける。

安心できる人柄で、ユーモアのあるわかりやすい語り口に定評がある。

ビジョン心理学では、創設者のチャック・スペザーノ博士とレンシー夫人の通訳としてお馴染み。

また、ホ・オポノポノのヒューレン博士、エリクソニアン催眠のスティーブン・ギリガン博士、NLP、ファミリーコンスタレーションなどの通訳としても活躍。

訳書に「傷つくならば、それは『愛』ではない」「セルフ・セラピー・カード」「言葉を変えると。人生が変わる」「バシャール×坂本政道」など多数。

ビジョン心理学のプロセスワークと表現アートセラピーを統合したセミナーを開いている。
ビジョン心理学初級講座や女性のための「ムーン・ロッジ」も好評。

東京生まれ。上智大学文学部英文学科卒。サンフランシスコ大学留学。
外資系銀行勤務を経て、フリーランスの会議通訳、翻訳者。

その後、セミナートレーナー、講師になる。
米国でビジョン心理学トレーナーズ・トレーニングを受講。

有限会社オフィス夢湧代表。

「みなさまに幸せを送る風のような、砂漠で旅人や動物の渇きを潤す湧き水のような存在でありたいと思っています。」

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