どんな時でも、ヨガを生きるということ。
和田:  さて、今回は、ハワイ島に来ています。久しぶりの海外インタビューとなります。皆さん、ご存じだとは思いますが、ハワイ島は、ハワイ諸島の中で、一番東側にあるもっとも大きな島で、いまも溶岩の流れ出る活火山の島です。
 僕は、このハワイ島が大好きで、毎年のごとく訪れていますが、それもここコナに友人が暮らしているからというのも大きな理由でもあります。
 さて、今日は、その友人でもあり、僕のヨガのマスターの一人でもあります。デイヴィッド・ジョンソンさんにスピボイに登場していただきたいと思います。

 アロ〜ハ〜!デイヴィッド。
David:  ハァイ!アロ〜ハ〜、ロビン!
和田:  今日は、デイヴィッドにいろいろとお話を聞いていきたいと思います。デイヴィッドはそんなに語らなくて、時折深いことを話したり、ジョークを言ったりするけど・・・笑 僕はいつも、デイヴィッドのとても平和なエネルギーにいつも学ばされています。なので、そうしたデイヴィッドのエネルギーの源泉に触れていけたらと思っています。
 さて、そんなわけで早速始めたいと思いますが、デイヴィッドと知り合ったのは、実はデイヴィッドの奥さんが、僕のもともとの友達のRIKOで日本人です。そのご縁で、二人にはとても親しくさせてもらって、ハワイ島では、いつもお世話になっています。ありがとう!
David:  いつでもウェルカムだよ・・・笑
和田:  ありがとう・・・笑
 いつも、いろいろと話しているんだけど・・・今回のスピボイは、特にフランクな感じで進めていきたいと思います。
 まず、デイヴィッドのハワイアンライフというところから聞きたいんだけど、ハワイではどんな暮らしをしているのか、教えてください。
David:  そうだね、ハワイアンライフ・・・それじゃあ、まず「どうして、僕がハワイで暮らすようになったか」そんなところから話そうかな・・・

和田:  お願いします・・・
David:  最初は、10年くらい、毎年ハワイに通ってたんだ。ハワイがとても気に入って、まず、1年くらい住んでみようと思って、しばらくして、ハワイのライフスタイルがすっかり気に入ってしまって、結局、ずっと暮らすことになったんだね。
 セントルイスやオクラホマ、コロラドとか、アメリカのいろんなところに住んでみたけど、ここハワイ島が一番気に入って。海も目の前にあるし、海が大好きなのだから。
 ハワイ島に来て、最初の10年間は、カヤックツアーやレンタルショップをやって、バケーションで来る人たちに、カヤックツアーで魅力的なポイントを案内したり、それと同時に、家づくりの仕事も始めました。
 依頼があったら、家のデザインや設計をして、施工まで全部やります。他にも、ステンドグラスの装飾、壁や家の中に絵を描いたり、僕にとって、そういうアートを施すことは、とても楽しいことだから。家づくりそのものもアートと同じで、デザインして、それを造り上げる。汚れる仕事もいやじゃないし、すごく喜びがある。家づくりでは人を雇ったり、手伝ってもらうけど、誰かに何をすればいいか聞くのはあまり好きじゃなくて、助けてもらうよりも、助けて上げる方が好きなんだ。何でも自分でやることは楽しいね・・・。
和田:  一昨年来たときは、大工仕事を手伝ったね。構想、設計から家を組み上げて、最後のディテールまで、全部デイヴィッドが造るのには驚いたけど・・・。
David:  笑・・・とても楽しいことなんだよ。
もう一つ自分にとって、とても大切でクリエイティブな事と言えば、それはヨガなんだ。
ヨガは、どんなことにも心を集中し続けることを助けてくれる。だから、本当にヨガは一番だと思っているよ。ヨガは、自分にとって、身体ではなく、心のためのもの。リラクゼーションや瞑想によって、どんなことや仕事をしていても、いつも自分の中に平和をもたらせてくれる。どんなにフラストレーションが溜まっていても、ヨガでクリアになる。他のどんなものよりも効果があると感じてるんだ。
和田:  じゃあ、デイヴィッドのライフスタイルの中心は、やっぱりヨガってことかな?
David:  そういうことになるだろうね。
和田:  デイヴィッドが仕事をしている時も、どんな時でもヨガの中にいるって感覚ということ・・・
David:  そうだね。自分にとってヨガは、どんな日も、どんな瞬間も、遊んでいる時も、ただそこにいる時も、もちろんヨガをしている時も、人生はヨガそのものと言ってもいい。
 でも、昔の僕は、今のような平和な生き方ではなかったんだ。ヨガに出会う前は、いつも焦っていて、落ち着いてなかった。何かフラストレーションを抱えていて、イライラしていたし、すぐに怒ったり、混乱していたようだね。自分のことがよくわかっていなかった。
 もう、ヨガを初めて30年以上になるけど、ヨガとは何かがわかり始めたのは、この10年くらいなのかな・・・。最初は、アーサナ(ポーズ)をすることは、僕にとって単なるエクササイズのようなものだったんだけど。アーサナをしていくうちに、これは身体にとてもいいってことが理解できるようになってきたんだ。でも、何よりも素晴らしいことは、アーサナやヨガで行ういろんなテクニックによって、心と身体がリラックスするということ。
 例えば、家をつくるときに、ハンマーを持ったら、正確にハンマーを振り下ろさなければいけないよね。瞑想もアーサナも同じ。正確に、そして、集中して行う必要があるんだ。
和田:  それは、いまこの瞬間にいるということと同じだね。
David:  そう、その通り。いま、この瞬間にいること。
それはヨガのとても基本的なコンセプトだね。

和田:  多くの人は、何かするときに、他のことを考えていたりするよね。今、目の前の事に集中していないことが多い。何も考えないで、ただ、いまやっていることを感じる。例えば、デイヴィッドが何かを造っている時に、ただ、それに集中する。それも瞑想だね。
David:  そうだね。
例えば、ドアを造るとする。大きな原木があって、ここから材木を切り出すよね。それを必要な長さに切って、加工して、組み合わせて、そして、表面をサンドペーパーで仕上げる。サンドペーパーをかける作業は、人によっては、とっても退屈な作業だと思うかも知れない。でも、ここでヨガのマインドで行うなら、毎回ごとの腕のストロークに集中して、仕上がりの美しさやこのドアを使う人の思いや感覚、使われている状態をイメージして、ひとつひとつのストロークに、エネルギーを吹き込んでいくんだ。
 僕が、仕事の中でどのようにヨガを活かしているのかっていうのは、そんな感じで、机に座って設計している時も、次のプロジェクトを構想している時も、構造的な部分を設計している時でも、マインドを通してエネルギーを吹き込み、よりクリエイティブになろうとしているんだ。そして、常に、心を平和な状態にして、そうしたエネルギーで設計することで、実際にできあがるものも平和なエネルギーが流れるし、スムーズに仕上げる作業をすることで、スムーズなエネルギーが流れるってことだね。すべて、同じだね・・・
アイデアは、宇宙のどこからか流れ出ている
和田:  デイヴィッドが造った家をいくつか訪ねたことがあるけど。どの家も落ち着いていて、優しくて、とてもリラックスできるね。それは、デイヴィッドの内なるエネルギー、平和な意識から生まれているんだろうね・・・
David:  そう感じてくれると嬉しいね。
いつもそこにいることをイメージするんだ。家を使う人がそこにいるのと同じように、自分がそこにいることをイメージする。そこにいることを歓迎するんだ。
和田:  家を建てるクライアントが、デイヴィッドにお願いするときに、その家はデイヴィッドが構想したり、イメージするのかな?それとも、具体的にこんな家が欲しいって頼まれるの?
David:  それは両方だね。僕がイメージして、提案することもあるし、クライアントが具体的なプランを持っている場合もあるし・・・でも、どのプロジェクトも毎回、進化していくんだよ。アイデアからね・・・
 クライアントと打ち合わせをして、どんな家にしたいのか、十分に聞いて、話し合うんだ。そんな中で、いろんなアイデアが自分の中を流れていく。実際に、アイデアを描くときに、空間に触れてみるようにイメージして考え、自分のアイデアとクライアントをひとつにして、何度も調整して、エネルギーを入れていくんだ。
 そうすることで、何もない静的なところから、生きたものへと進化していくんだ。
和田:  なるほどね〜素晴らしい。家を構想するときのインスピレーションは、どこからやってくるんだろうね。
David:  ん〜・・・どこからやってくるか・・・宇宙だろうね?・・・
僕は、デザインや建築に対して、何も要求しないしないけど、うまくいくのは、そのもの事態が宇宙のどこかから流れでているんじゃないかな・・・

和田:  僕もデザインの仕事をしているけれど、アイデアを考えるときに、デイヴィッドはイメージを追っかけたりしないのかな?
 例えば、今の僕はそうではないんだけど、昔は、アイデアが出てこないってことでいらついたり、焦ったりしたものだけど。アイデアを求めて追っかけるのはエゴだと思うんだ。
David:  確かにそう思うね。
和田:  アイデアは降ってくるものだと思うんだけど・・・信じていればね。僕は、水道のパイプをインスピレーションの泉につなぐんだ。パイプをいつもクリアにして、詰まりがないようにすれば、何もしなくても、そこからアイデアは流れ出てくる。自分の頭の記憶でこねくり回して考えるのでは、使い古したようなアイデアしか出てこない。アイデアは、そこに場の情報として、もともとすでにあるものだと考えているんだ。
 例えば、どんな家がいいか考える時に、現場に行くとより鮮明にあるべきカタチ、そこにできあがるイメージが降りてくるみないな感じってあると思うけどどうかな?
David:  そうだね、簡単に言うとね。僕は、まず現場に行く。そこでできるだけの時間を過ごしてみるんだ。ちょうど、そこで瞑想するように。もちろん、実際に瞑想したりね。そこに自分の意識をチューニングして、周辺の雰囲気を感じるんだ。それが、リフォームであれ、新築であっても。できる限り時間をかけて、静かに、平和な気持ちで瞑想して、僕がヨガの時に使っているフルートを吹いてみたりして、自分の心を安定させて、それから、空間のことをイメージし始めるんだ。そうすると、アイデアがわき始める。
和田:  いつからそんな感じでやるようになったのかな? 以前、話を聞いたけど、ミズーリやニューヨークでインテリアデザインをやっていた頃は、スーツにネクタイって感じだったんでしょ・・・笑
David:  ハハハ・・・僕が大学を出て、最初に入った会社は、シアーズローバックという会社で。その中の家具を扱う部署で、インテリアデザインをしていたんだ。アメリカでは知られた大手小売り業の会社だね。だから、ネクタイとかね、とてもきっちりしなきゃいけなかった。
 その後、ニューヨークに行って、自分でインテリアデザインの仕事を始めたんだ。ニューヨークでオクラホマシティの人と出会うこととなって、結局、オクラホマシティに行くことになるんだけど。そこで、インテリアデザインのオフィスを開いたんだ。もちろん、プロフェッショナルとして、大きな街のビジネスシーンでは、スーツやネクタイは当たり前だと思っていたけど、ハワイに来て、「あ〜、そんなの必要ないんだ」って、いつもの自分のままでいいんだって思ったんだよね。それから短パンにTシャツになっちゃって・・・笑 その方が、快適だし、エゴからも解放されて、仕事に集中できるからね。スーツ姿で、仕事をやってますって感じのふりをしなくていいしね。

共鳴が起これば、三倍の効率が生まれる
David:  僕はハワイがとても好きなんだ。ハワイのエネルギーが好きだね。火山の神様ペレの息吹を感じる・・・ここハワイ島にしかないエネルギー。それは、活火山で大地が生きてるということ。深く呼吸する度に、このエネルギーを感じるんだ。それはペレのエネルギーだね。僕の呼吸を通して、身体を通してね・・・
和田:  デイヴィッドは、いつヨガに出会ったの?
David:  オクラホマにいたときだね・・・ヨガは大学にいたときに初めて知って、数回やったことがあったけど、本格的に始めたのは、オクラホマだね。オクラホマシティで、ジムに行ったんだけど、そこで、ヨガをやってる人がいてね。自分も数回やったことがあるって話して、やってみることにしたんだ。やればやるほど効果があって、でも、ジムで身体を鍛えたり、ジョギングしたりするのと違うのが、ヨガはとても平和な気持ちにしてくれるんだ。
 いろんな場所に暮らしながら、いろんなヨガの先生に会ってね。ああ、この先生はいいなとか、合うなとかね。でも、ヨガは全部ヨガ。基本的なコンセプトやアイデアは同じだから、その中で、一番自分に合うヨガを深めていくことにしたんだ。それはアイアンガーヨガだったんだけどね。
 おじいさんが大工さんだったんだけど、木を切るときにね、必ず長さを三回計って切るんだ。正確さをとても大切にしていたんだね。切る度に違っていたら大変だよね。
 アイアンガーヨガも同じでね、ひとつひとつのアーサナを丁寧に、正確なポーズをとるんだ。それはなぜか?そうすることで、自分自身の声を聞くことができるからだね。でも、身体は生徒でもあり、先生でもあるんだ。君も、解剖学や正確なアーサナという知識を持っていると思うけど、ポーズをとって身体に耳を傾けることで、身体は、どうやって深く感じることができるかを教えてくれるんだ。
 アイアンガーは、師匠のクリシュナマチャリヤからたくさんのポーズを学んだけど、ある時、彼は師の元を去り、自分の身体が彼のグルになったんだね。彼は、何度も、いろんな方法でヨガを行ったけれど、誰も教えてくれない。でも、身体が教えてくれたわけだよ。だから、ヨガの本質は教えられるものではなく、自分の身体に聞くことなんだ。そうやって自分の身体に聞くことで、その体験から学ぶことができるし、成長していく。僕は、ヨガの練習や人生を通して、自分に聞くことを大切にしてるんだ。

和田:  ヨガは、その背景にあるインド哲学からの体系的なヨガ哲学もとても重要だと思うんだけど、デイヴィッドはどう考えていますか?
David:  そうだね。大切だと思うよ。ヨーガスートラやバガヴァッド・ギーターとか、そうした哲学的な知識とアーサナからの身体的な体験を統合していく、そこに共鳴が起こっていくんだ。例えば、二人の人が一緒に働いて、そこに共鳴が起これば、一人ひとりが別々に働くよりも、三倍の効率が生まれたりするよね。これと同じことなんだ。身体と知識がひとつになって統合され、共鳴すればどうなるかわかるよね。
和田:  なるほど、いい例えだね。ばらばらで働くと、効率を下げることもあるからね。アーサナだけではなく、やっていることの意味や理由、効果を知ってやれば、とても深い体験をすることになると思う。
David:  そう、全部が一つになって働くと、ぜんぜん違うレベルになる。内なる自分を感じれば、そこには、自分が知っている自分よりも大きな自分がいることに気づくんだ。パワーは偉大なんだ。身体はカタチに過ぎない。僕たちが体験し、学んだ分だけ拡張されていくんだ。だから、いい本を読んで、知識を身につける。そして、アーサナを実践する。コンビネーションに目を向けることは大切だね。
ヨガは、自分の信ずるものを見出してくれる
和田:  デイヴィッドのライフスタイルは、一般的なハワイアンスタイルなんだろうか?それとも理想的なハワイアンスタイルなのかな?
David:  どうだろうね? 僕なりに理想的なライフスタイルだと思ってるけど・・・笑
和田:  僕は、ここに暮らしたことはないから、そう言うレベルではわからないけど、素晴らしい環境で、理想的な生活に思えるんだよね。ハワイの生活も、もちろんいろんな生き方やライフスタイルはあると思うけど・・・普通の人ってどんな感じなのかな?
David:  そうだね・・・ハワイに暮らす、普通の人たちのマインドセットは、かなり違うかも知れないね。ホノルルとか、他の島でももちろん違うわけだけど・・・ハワイ島は、活火山の島で、島自体がまだ若い島だよね。ダイナミックな自然を感じることができるだろうし、とても平和的な感覚をこの自然の中に見つけることもあると思う・・・海も大きく拡がっていて、海の波は岸壁や砂浜を洗い、それは身体を洗うのと同じ、そして、いつも優しく風が吹いていている。 
 ハワイにもいろんなライフスタイルがあるだろうけど、ここにはここに暮らす人のそうしたマインドセットや価値観があるだろうね。暮らすのにはとても快適だよ・・・みんなとてもリラックスしていて、道を走っていても感じると思うけど、道ばたでケンカしているような人もいないし、交差点でも、お互いに譲り合ってね、とってもリラックスして、それがアロハスピリットかな・・・
和田:  デイヴィッドと一緒にあちこちいくと、デイヴィッドはどこでも、みんなにアロ〜ハ〜って声かけるよね・・・笑 素晴らしいと思うけど、それはデイヴィッドが特別なのかな?
David:  そんなことないよ・・・笑 みんなそうやってるから、僕もそうしてるのさ・・・笑 僕はそんなアロハスピリットが大好きだよ。みんなもそう挨拶してくれるよ・・・

和田:  ネイティブハワイアンの友達もたくさんいると思うけど、彼らの生活は少し違うのかな?
David:  ん〜・・・僕の友達の多くは、ここの生まれではない。カマアイナって言うんだけど、ここに長く住んでいて、心の中で、ハワイが本当の自分の家だって思ってる。でも、ネイティブハワイアンの人たちは、ここが生まれた土地だし、この土地を尊敬していて、アイナって言うんだけど、ここの土地とのつながりは当然だけど深いし、この土地を愛してる。ネイティブハワイアンはお互いに分かち合うことを大切にしていて、そんなアロハスピリットを生きているようだね。
和田:  ネイティブハワイアンの人々は、物質的なものの分かち合いもそうだろうけど、やはりハートとかフィーリングとか、共感というのかな、そういう分かち合いがやはり強いのかな・・・?
David:  知ってるかな? アロハー・・・ハーって言うのは、呼吸なんだ。ヨガのプラーナヤーマは呼吸だけど、命の力だね。ハー。これは、アローハーのハー呼吸だね。そのエネルギーは僕たちの存在全てに流れていて、それをシェアしてる。分かち合ってるわけだね。
和田:  ネイティブハワイアンの伝統にも、そうしたプラーナのような目に見えないエネルギーが流れているということがあるんだね。
David:  そうだね。
彼らは、ホ・オポノポノという伝統的なシステムを持っていて、アイナや土地、分かち合い、いろいろな問題の働きは、この力「ハー」を通して行われ、宇宙とつながり、互いに関連し合ってると考えているんだ。だから、僕も、すべてのものを分かち合えると思うんだ。
和田:  ヨガに出会う前から、そのような考え方や感じ方に興味があったのかな?
David:  そうだね・・・何かスピリチュアルな感覚というのは持ってたと思うね。母親もカトリックだったし、兄弟姉妹もね。子供の頃は日曜日には教会に行って・・・でも、高校生くらいの時から何かわからなくなったって言うのかな、失ったような気がして、それだけじゃないようなね・・・それからいろんな宗教について見てみようと思って、考え方やどのように働きかけているのかね。結局、どの宗教にも基本的な一つの真実がその根底にあるって事がわかったんだ。それは本当に同じだね。宇宙の中の宇宙を関連づけて、何とか定義して、努力しようとしてる。どのように、その神聖さは働いているのか? 僕たち自身が宇宙の中で神聖さを実現しているんだ。宗教はそれ以上でも以下でもない。その関係性の中で、宗教の中から必要なものを取り出す。それでいいんじゃないかな・・・それが本当の宗教だと思うけど。単に人々が集まってソーシャルグループを作ることはできるし、いい効果をはたすと思うけど、宇宙とつながってないというのはどうだろう。そんな時、ヨガは、瞑想を通して、宇宙とつながった感覚をより深めてくれる助けになると思うね。
和田:  日本ではヨガを宗教だと思っている人もいるみたいだけど・・・
David:  ヨガは宗教ではないね。ヨガは自分の中に、自分自身の信ずるものを見出すのを手伝ってくれるものだね。
和田:  あるヨガのマスターが言ってたけど、ヨガは体験だと・・・これはいい表現だなって思って・・・
David:  そうだね。ヨガは人生。人生は体験だから・・・。
ヨガと人生が共鳴し合って、平和的な世界が実現していく
和田:  デイヴィッドは、だいたいどんな風に1週間を過ごしてるのかな?
David:  毎日ヨガをして・・・ヨガは何時でもヨガと言えるけど・・・笑 特に、RIKO(奥さん)のために時間を過ごすことも多いね。お互いにバランスを取っていかないとね。例えば、今朝は、彼女が朝早く仕事に出かけるから、一緒に起きて、僕は朝食とお弁当の用意をして、彼女が出かけたら、まだ6時だからね。とっても静かで、そこで1時間から1時間半、2時間くらい、じっくりとヨガをやって・・・ん?それから、仕事にでかけるかな・・・違う種類のヨガをするわけだよ・・・笑 日曜日は、友達とだいたい30マイル(約50キロ)くらいかな自転車で走るんだ。とっても景色が美しくて、自然もいっぱいだし、いいワークアウトになるからね。とても楽しんでるよ。

和田:  昨日、一緒にコスコ(日本ではコストコ、ウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型卸売小売))に行ったけど、買い物もヨガだよね・・・笑
David:  笑・・・もちろんヨガだよ・・・笑 僕の人生にとって、豊かさは大切だから・・・コスコみたいにね・・・笑 買い物は瞑想でもあるんだよ・・・笑
和田:  日本でも、ハワイでも、みんな一人ひとりのライフスタイルがあって、それぞれの考え方、価値観があるけど、もし、みんなが平和な生き方を望むなら、世界に平和が訪れる。とてもシンプルなことなんだけど・・・
David:  僕もそういう生き方を心がけているけど、みんなもそうだと思う。そうした心がけは、自分が本当は誰なのかを理解する手助けになるんだ。そのままでは、平和的な環境はなかなか訪れなくて、ヨガは平和的な生き方について、どうやってそういう生き方ができるか、とても助けになると思うんだ。ヨガをするというよりも、ヨガを生きることで、ヨガと人生が共鳴し合って、平和的な世界が実現していくんだと僕は思っているんだけどね・・・
和田:  僕もそのように生きたいと思ってるんだけど、ヨガを生きることを心がけるのは、とてもいいと思う。まず、第一に、自分自身の中に何かを見つけようとすること、多くの人々は、テレビや雑誌、インターネットなど、知りたくなくても飛び込んでくる情報の洪水の中にあって、自分自身を見つめるというところに向きにくい環境にあるし、自分自身を見失ってしまっている人も多いと思うんだ。
David:  自分自身をもっと深く知りたいというところに意識を向ける人が増えてきているけれど、自分を見つめないと、自分自身が持っている不必要なものを手放すことはできない。だけど、もしヨガをする、または、ヨガを生きるなら、自分はだれなのか?自分を知ることができる。ヨガというコンセプトは、ヨギからヨギへと数千年も前から代々受け継がれてきたもの。一瞬、一瞬にフォーカスして、その中に生きる。ずっとヨガを生きることは難しいかも知れないけれど、断続的にでも、この感覚を忘れなければ、とても平和的な感覚になるし、そこからいろんな答えやより良い選択の答えを得ることができるはずだよ
和田:  全ての人は、それぞれ何らかのテーマを持って生きていると思うけど、みんながもっとヨガやスピリチュアリティについて理解し、彼ら自身の道を生きれば、そこには多くの気づきがある。どんな生き方もOKだけどね、悟りへの道はいろいろだからね。
David:  ここに留まるのではなく、悟りに向かって進んでいくことが大事だね。みんなそれぞれの道を歩んでいるけれど、大切なことは、そこにマインドセットして、その方向に歩いて行くこと。それは、完全な平和であり、サマーディであり、覚醒・・・言い方はなんでもいいんだけど、そこに向かっていくということ。気づいたら、いますぐに、そこに歩き出すことだね。深く内面を見つめれば、それらの答えが、内側から湧き上がってくる。自分の答えを見出し、さらにそれを深めていくことだね・・・
平和な心で行動すれば、平和な結果が生まれる
和田:  さて、いろいろとお話を聞いてきたけど、いつもながら、デイヴィッドの深い話が聞けました。最後に聞いてみたいんだけど、日本に住む多くの人は、デイヴィッドの暮らしぶりを見るとうらやましがる人も多いと思うけど、こんな暮らしを実現するには、何か方法はあるかな?・・・夢は必ず実現するから・・・笑
David:  笑・・・そうだね〜・・・RIKO(奥さん)は結婚してこうして暮らしてるけど・・・笑 きっと、できる。実現すると思うんだけど・・・笑

和田:  僕は、いつも心の中にハワイがあるし、デイヴィッドのような暮らしがあるんだっていいたいね・・・笑
David:  オクラホマシティに暮らしている娘のエイプリルは、小さな頃、何度もハワイに来て、ハワイの空気を知ってるんだね。オクラホマは内陸で、海もないし、ハワイとは全く環境は異なるけど、彼女の中にいつもハワイは生きてる。もちろん、ハワイに来たり、暮らすという体験があるにこしたことはないけど、ここに暮らさなくても、アロハ・スピリットはいつでも、求めた人のところにあると思うよ。地球の特別なところにだけにあるものではないんだ。どこにでもあるものだよ。与えた分だけ還ってくる・・・
 RIKOと日本に帰ったときに、ショッピングに出かけたんだけど、僕は、歩道のところで待ってたんだ。たくさんの人が僕の横を通り過ぎてね。日本はとても豊かなところだよね・・・だけど、多くの人は、ただひたすら歩いてる。何か目的を持って、そこに行こうとしてるんだ。周りのものを何も見ていない。何か楽しそうじゃないんだ。そこで僕は、来る人を見ながら、しばらく微笑んでたんだ、そうしたら、多くの人が笑顔を返してくれたんだね。それで思ったんだけど、やっぱり本当は、みんなアロハスピリットを人に与えたいんだって・・・。どこにいたって、同じだね・・・笑
和田:  笑・・・デイヴィッドはどう見ても、西欧人だから、ニコニコしててもいいけど、もし、僕が同じ事をしてたら、ただの変な人に思われるかも・・・笑 そんなことはないか・・・
David:  笑・・・ハートオープンな気持ちでいれば、どこにいても、誰でも同じ。日本には、愛すべき深いスピリットもあるから。
ヨガを実践する中でね、ヨガは、自分をいつも平和的な意識でいることを助けてくれる。
 最初のステップはアーサナで、それから、プラーナヤーマ。そして、アシュタンガヨガ(ヨガの八枝則)のステップを通して、もっともっと平和になって、それが自分の全ての中から溢れ出てくる。それは、自分の内側にもともとあるものだから。
 僕のヨガの師は、アディール・バルクヒヴァラと言う、アイアンガーから高等師範の免状(Advanced Certificate)を最初にもらった一人、とても洗練されたヨガの指導者なんだ。
 彼はワシントンにヨガセンターを持っていて、彼のところには、世界中からヨガを学びにやってくるけれど、幸運なことに、コナのケアラケクアにあるヨガセンターに、毎年何度か来て指導してくれているんだ。
 彼の哲学は、アーサナなどは基本的にアイアンガー師のものだけれど、彼独自の考えがあって、パーナヨガというんだけれど、パーナとは、サンスクリット語で、すべてとか完全なという意味でなんだ。アーサナだけではなく、人間の存在すべてをみつめて、瞑想やスピリチュアルなつながり、また、ライフスタイルも含めて、すべてを統合していくという考え方なんだ。何をどのように食べるかとか、それはアーサナをする時に、大きな違いを生むんだけれど、これらのものを全て統合して、ヨガとして体系化しているんだね。
 誰のどんなヨガもヨガなんだ。ヨガを自分のものにすることによって、それは自分のライフスタイルになる。ヨガの上にあぐらをかくのでもなく、エクササイズでもないんだ。それぞれのアーサナは、ひとり一人のエネルギーの源泉となって、アーサナだけでなく、ヨガに意識を注げば注ぐほど、それはもっと自分自身にエネルギーを送り返してくれる。
 アーサナは、ポーズを通して、外見は動いているけれど、内側では新しいエネルギーを生み出して、呼吸する度にプラーナが自分の中に入ってくるんだ。
 血液が身体の中を巡るように、流れ込んだプラーナは身体を巡り、ポーズをとったときに、エネルギーを最も必要としているところに注ぐことができるんだね。

和田:  瞑想では、集中することがもっとも大事だって言われるけれど、ヨガも、意識すること、集中することで、エネルギーを最も必要としているところに、エネルギーは流れていく。ヨガを実践できるに越したことはないと思うけど、例えしなくても、ヨガ的な考え方を意識するだけでも、人生の助けになると思うね。
David:  人生はすべて体験。アクションとリアクションで言うと、何かに対してリアクションするというのは、無意識的にしてしまうものだけれど、アクション=行動するというのは、自分のことをよく理解して、平和な心、意識で行動すれば、平和な結果が生まれる。本当は、単純なことなんだよ・・・
和田:  ヨガは、平和的な生き方のために、とても役立つってことだね。
今日は、たくさん集中して話すことができて良かった・・・笑
素晴らしいお話をありがとう。
僕も、ヨガをもっと精進したいと思ったよ・・・

今日は、本当にありがとうございました!
David:  どういたしまして!楽しかったよ・・・!ありがとう!マハロ!
デイヴィッド・ジョンソン /
プロフィール
アメリカ、ミズーリ州生まれ、ハワイ島在住。 幼少時より科学とアートに興味を持ち、学生時代からヨガに親しむ。卒業後、インテリアデザインビジネスを立ち上げる。ヨガによって仕事効率が上ったことからヨガへの探究心が強まり、1980年頃から本格的にヨガに取り組む。同時に、スピリチュアルな内なる平和の探求も進める。また、バンブーフルート(竹笛)を吹くようになったのもこの時期で、それによりメディテーション同様、自身のヨガやスピリチュアルパスを深めることとなる。
さらに、この頃からインテリアデザインや建築に、エッチンググラスなど自作のアートを取り入れるようにもなり、ヨガとスピリチュアルな世界、そしてアートが統合されていく。
1993年より3年にわたりニュージーランド、オークランドのアイアンガー・インスティテュートにてヨガの指導法を学ぶ。
1995年よりB.K.S.アイアンガーの直弟子、アディール・パルクヒヴァラに師事。アサナ(ポーズ)と呼吸、瞑想ほか、栄養学やヨガ哲学をも包括した彼独自の哲学(Purna Yoga)に共鳴、以降、アディールのティーチャー・トレーニングやインテンシブ・トレーニングに多数参加。自身も1995年より指導を始める。解剖学の豊富な知識や的確なアラインメントの補正など技術面のみならず、バンブーフルートを用いたメディテーションも定評がある。
2009年、日本でヨガ・ワークショップ「ハート・オープニング」を開催。


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【取材後記】
  デイヴィッドとのお付き合いは、5年前にさかのぼる。友達のRIKOがハワイで結婚して、そのわずか3ヶ月後、ロスへ行く機会があり、ロスからアリゾナ、コロラドへと旅をする話をRIKOにメールしたところ、ついでに、ハワイ島にあそびに来たらという返事・・・新婚三ヶ月の二人の家に、しかも、RIKOの男友達である僕がお邪魔するのは、さすがに気が引けたけれど、デイヴィッドもぜひってことで、ハワイ島に滞在したのがデイヴィッドとの出会いだったのだけれど、それから、毎年のごとく、RIKO&David宅にお邪魔している。
 デイヴィッドは、実に平和な人だ。のんきな人という意味ではない。いつも自然体で、穏やかで、ゆったりとして、今を生きている人だ。一緒にいても、とても気楽で、それでいて、飲み物は?とか、お腹すいてない?とか、さりげなく気を遣ってくれる。
 デイヴィッドは、平和をとても楽しんでいるようにも思える。僕は、デイヴィッドのように生きてみたいと思うのだけど、パートナーのRIKOは、僕が過大評価をしていると謙遜するけれど・・・笑 奥さんから見ると、どんな聖人も、普通の夫になるのかも知れない・・・笑 でも、もちろんRIKOにしても、やはりデイヴィッドは素敵な旦那さんであり、実際に、デイヴィッドは、奥さんであるRIKOに優しく、いつも愛情いっぱいだ。一緒にいるとハラハラするくらいアツアツの愛がいっぱいなのだ。もう、5年も経つというのに・・・笑 まあ、二人の話はいいのだけれど。。。笑 僕も、デイヴィッドのように、もっと奥さんに愛を表現しなければと思いながら日々反省の毎日・・・。
 デイヴィッドは、ヨガのマスターでもある。とても深いアプローチで、自分自身を深く見つめさせてくれるヨガへと導いてくれる。デイヴィッドの視点はいつも深く、そして、優しい。冗談も大好きだ。とってもひょうきんなところもある。それは、デイヴィッドがいろんな人生経験を重ねて、体得したものでもあるのだろう。
 自然と触れあうことが大好きなデイヴィッドは、自然のマスターでもある。海へ、一緒にカヤックをこぎ出しても、多くを語り、説明するわけではなく、自然を感じること、自然とひとつになることを教えてくれているようだ。
 デイヴィッド自身、自覚はないようだけれど・・・僕はデイヴィッドの中から、僕自身の真の姿を見出しているような気がする。誰しもが、そんなメンターのような存在があると思うけれど、それはきっと、僕たちみんなの中にある、本当の自分自身だと思う。デイヴィッドは、今日も、のんびりと快適なハワイアンライフを過ごしていることだろう・・・

RIKO&David Thank you so much!
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